フランスがウクライナにミラージュ2000戦闘機を供与
6月7日、フランスのマクロン大統領はノルマンディー上陸作戦80周年記念式典の直ぐ後に民間テレビ局TF1へのインタビューで、ウクライナに対しフランス軍の装備からミラージュ2000戦闘機を供与すると発表しました。能力向上型ミラージュ2000-5仕様になります。
戦闘機に加えてマクロン大統領はウクライナ地上戦力1個旅団4500人に対しフランス軍が訓練を行うことを提案しています。
フランス製のミラージュ2000戦闘機はアメリカ製のF-16戦闘機に近い性能を持っています。ただし今からウクライナ空軍のパイロットの機種転換訓練を開始して5~6カ月で完了するのは難しいかもしれません。F-16戦闘機の例でも10~12カ月は訓練期間が必要な状況です。何らかの特別な促成訓練計画でもない限りは年内には間に合わないでしょう。
一方で5月28日にスウェーデンはグリペン戦闘機の供与の計画を一時的に停止し、F-16戦闘機の供与の邪魔にならないように後回しにする方針を決定しています。これは今回のフランスが年内にミラージュ2000戦闘機を供与するとした方針と真逆になります。フランスとスウェーデンの対応が同時期に異なっている理由は今のところ不明です。
現状でウクライナ空軍は戦闘機はSu-27とMiG-29、攻撃機はSu-24とSu-25で、4機種体制で戦っています。これに加えて西側製の戦闘機を供与して入れ替えていくと、一時的に機種の数が多くなり過ぎて整備補給面で混乱が生じる可能性があります。このためウクライナ側とF-16供与連合(オランダ、デンマーク、ノルウェー、ベルギー等)とフランスの間で調整が行われるものと思われます。