いよいよリーグ再開するB1リーグ! 3週間の調整を経てA東京や川崎らの巻き返しに期待
【シーズン再開のB1リーグ】
1月4日(川崎と三河は1月6日)から約3週間のバイウィークが終わり、1月23日からB1リーグが再開する。
この間、日本国内は新型コロナウイルスの感染拡大で11都府県が緊急事態宣言下に置かれるなどして、Bリーグも開催地の自治体の要請を受け、オールスター戦を中止せざるを得なかった。
その分各チームは十分な調整期間を与えられることになり、それぞれチーム状態を改善させシーズン再開に臨むことになる。
ただB1リーグの20チーム中11チームが、緊急事態宣言下の都府県を本拠地にしており、シーズン継続はいろいろ難しい面があるだろう。しかしバイウィーク中に天皇杯日本バスケットボール選手権3次ラウンドは、観客を迎え入れ無事開催されており、今後も自治体と協力しながらシーズンの完遂を願うばかりだ。
【前回のバイウィークで勢力図に変化】
今週末のシーズン第17節と1月27日の第18節を終えると、全日程の半分にあたる30試合を消化する。来週からシーズン後半戦に突入し、いよいよ8チームが進出できるチャンピオンシップ(いわゆるプレーオフ)争いが本格化していくことになる。
それだけにバイウィーク明けの立ち上がりが、どのチームにとっても重要になってくるだろう。実際昨年11月16日から12月1日までの1回目のバイウィーク後も、リーグ内の勢力図は明らかに変化している。
特に1回目のバイウィークは、新型コロナウイルスの影響で外国籍選手たちのチーム合流が遅れ、ほとんどのチームは選手が揃わない中で開幕を迎えていたため、本格的にチーム練習ができた期間となった。
そこで下記の表に注目して欲しい。チャンピオンシップ争いに加わると予測される、現時点で勝率5割以上の11チームの成績を、1回目のバイウィーク前後で比較したものだ。
【バイウィーク後に好調だったSR渋谷と秋田が躍進】
こうして比較してみると、バイウィークを挟んでも安定した成績を残しているのは千葉と三河くらいで、他のチームは調子が上向いているか、下降しているのが理解できると思う。
特に目立つのは、SR渋谷と秋田の躍進だ。両チームともにバイウィーク前は8勝7敗に留まっていたが、バイウィーク後はSR渋谷が11勝1敗、秋田が10勝2敗で乗り切り、一気にチャンピオンシップ争いに加わることに成功している。
SR渋谷の伊佐勉HCも、バイウィーク後の好調の理由を「バイウィーク期間でいい練習ができた」と話している。
【強豪チームならではの悩み】
一方で、宇都宮、川崎、富山、琉球などは、バイウィーク後に調子が下降気味になっている。特にA東京に至っては、バイウィーク後に5勝7敗と負け越している。
バイウィーク後に調子が下降したことに関しては、選手の故障も含めて、各チームによって事情は様々だと思うし、試合スケジュールの違いも影響しているだろう。
だが複数の日本代表候補選手を抱える宇都宮やA東京などの強豪チームには、彼らなりの悩みもあるようだ。バイウィーク明け後に宇都宮の安齋竜三HCは、以下のようなチーム事情を説明している。
「(シーズン序盤戦を戦い終えて)もちろん課題があったり、オフェンスで新しいものを入れたかったんですけど、正直(バイウィーク中に)日本代表(合宿)に2、3人行っていて、コロナの関係とかもあって、2週間のうち1回しか全員揃って練習できませんでした。
(バイウィーク明け直後の)川崎戦では、今までやってきたことをどのくらい出せるかというところだったんですけど、コンディションは全然でしたし、メンタル的にも揃わない中で、ゲーム・コンディションを早く戻して自分たちが前半でやっていたバスケットに戻すというのが重要だと感じています」
安齋HCが説明するように、宇都宮やA東京、川崎、名古屋Dは複数選手を日本代表合宿に送り出していた。その分バイウィーク中は主力選手を欠いてチーム練習を行わなければならず、他チームと比較して十分な調整もできない面があったわけだ。
ただ千葉や三河のように、複数選手を代表合宿に取られながらバイウィーク後もしっかり成績を残しているチームも存在しているのも確かだ。
【A東京や川崎らの巻き返しに期待】
もし仮にオールスター戦が予定通り実施されていたとしたら、オールスター戦に多くの選手を送り込んでいたチームも、やはりバイウィーク中の調整時間が限られていただろう。
だがオールスター戦が中止になったことで、すべてのチームがほぼ横並びで、チーム練習に充てることができたはずだ。それだからこそ、再開直後の立ち上がりが大切になってくるのだ。
果たしてA東京や川崎らの巻き返しはあるのか。前述の天皇杯3次ラウンドでは、A東京はSR渋谷に、また川崎も千葉に勝利しており、やはり期待は大きい。いずれにせよ、今後も白熱したリーグ戦を望みたいところだ。