Yahoo!ニュース

【野球】軸足回転は「-15km/h」スイングスピードが落ちる!下半身の効果的な使い方とは?

下広志@JBS武蔵スペシャリストコーチ

こんにちは!
野球塾「JBS武蔵」を運営しております、下(しも)です。

これまで10年以上に渡り運営してきた野球ノウハウを惜しみなくお伝えしていきますので、
指導者の方や選手の練習の活用して頂ければ幸いです。

YouTubeでも技術情報を配信しております。
打撃・守備・走塁・メンタルなど500本以上作成しております。
良ければチャンネル登録の程よろしくお願い致します。

【登録はこちらから】
https://www.youtube.com/channel/UCyfIoPNszuAKpeaLobnvYxQ

下半身ってどう使うの?

今回バッティングの
「下半身の使い方」
に関してお伝えをしていきたいと思います。

「下半身を使う」

とよく言われると思いますが、

下半身を使えている状態ってどういうこと?

と少し曖昧な部分もあるのが実情かと思います。

全ての動きを1回でお伝えする事は難しいですが、
今回のコラムでスッキリさせていきましょう!

最後には動画もありますので、
そちらも合わせてご覧ください。

1:そもそもバッティングの運動(動き)は?

まず下半身の使い方の前に、
バッティングの運動(動き)が何があるか理解しましょう。
実に簡単で2つしかありません。

・並進運動
・回転運動
の2つです。

並進運動は横に動く運動なのでバッティングで言うと、
「ステップして前足が地面に着く」
までの動きとなります。

回転運動は実際にスイングをしていくフェーズとなります。

バッティングではこの並進運動と回転運動を、
より効果的にして行く事が大前提となります。

2:軸足への荷重動作(タメ)

まず最初の下半身の使い方としては、
軸足への荷重動作があります。

これは、
「タメ」
とよく言われるものです。

「シワを作る」
と表現される事も多いですね。

どういった動作かと言うと、
股関節を閉じる(内旋)動き行います。

股関節を閉じる動き=内旋動作
股関節を閉じる動き=内旋動作

この動きをする事で、
並進運動時をスムーズに行いやすくなります。

体の向きや骨盤の向きが変わらず、
ステップ動作に入ることができます。

内旋動作が十分できたままステップをする事でフォームは崩れにくい
内旋動作が十分できたままステップをする事でフォームは崩れにくい

主な効果としては、

・肩や体の開きを抑える
・膝がグラグラするのを抑える
・インステップ・アウトステップを抑える
・割れを大きくとれるようになる

などがあります。

股関節を閉じる動きがステップの途中で抜けてしまったりうまくできないと、
上記の様なエラー動作になりやすいです

軸足の内旋がステップ事に抜けると様々なエラー動作に繋がる
軸足の内旋がステップ事に抜けると様々なエラー動作に繋がる

またこの動きができると回転運動にも好影響になります。回転は骨盤や体幹や胸部がメインに回転をします。

骨盤の向きをそれほど変えずにステップをして行く事が可能になるので、
回転できる量を保ったままステップする事ができます。

当然回転量が多い方がスイングの加速やボールへ伝える力(撃力)は、
大きくなりスイングスピードの向上や打球速度の向上に効果的となります

股関節の内旋により次の回転動作にも好影響となる
股関節の内旋により次の回転動作にも好影響となる

3:股関節を曲げる動き(屈曲)

次に必要な動きは股関節を曲げておく動作です。
これは構えの時、荷重(タメ)の時、回転の時、
どこのタイミングで行っても構いません。

人間の力は関節が曲がる→伸びる

事によって発揮します。

ジャンプをするのも股関節や膝の関節が一度曲がり、
伸びる事でジャンプする事が可能になりますね。

足を完全に伸ばしたままジャンプをする事は不可能です。

バッティングでは適切にスイングができていれば、
インパクト時に軸足側股関節は必ず伸びます。

その為どこかのタイミングで、
股関節を曲げておく動作を入れておく事で効果的に力を発揮しやすくなります。

股関節を曲げておく事で身体機能を活用する
股関節を曲げておく事で身体機能を活用する

インパクト時には股間節は伸びる
インパクト時には股間節は伸びる

4:前足への支点移動

次に必要な動きは、
「前足への支点移動」
です。

体重移動と言われる事も多いかと思います。

まず前提としてインパクト時には体重の比率は
前足10.後足0
となります。

これは感覚的には信じ難いかもしれませんが、
昨今はプロ選手の動画も簡単に視聴する事ができます。
ぜひインパクトシーンの体重比率を見てみてください。

またこの軸足回転は一昔前までは定説となっておりましたが、
映像が簡単に見れる様になった現代では、
明らかに間違った事として取り上げられています。

特殊な打ち方(崩された場合など)でない限りは、
必ず前足に体重が乗り切っています。

インパクト時は前足に体重が乗り切る
インパクト時は前足に体重が乗り切る

余談ではありますが、
インパクト後には軸足側に体重がかかる事がほとんどです。

前足に乗っている時間が短いので、
フォロースルーあたりで戻ってきた体重のシーンだけ見ると
「軸足で踏ん張ってスイングしている」
様に見えると言うことになります。

では、
なぜ前足に体重を移動する事が必要か説明をしていきます。

まず1つ目の理由は
「速い回転をするのに必要」
であると言うことです。

物体は質量の重い方に移動するという性質があります。
下記に動画がありますがペットボトルを使った実験で表現をしていますので、
ぜひご覧になってください。イメージができるかと思います。

効率的に回転をして行くためには、
移動したい方向に質量がある方が望ましいです。

そのためバッティングでは前足に体重がかかった状態で、
回転した方が効果的になります。

軸足に体重がかかったままだと、
一見回転している様に見えますが、
これは体の向きが単純に変わっているだけです。

体重のかかっている方向へベクトルが向く。軸足ではキャッチャー方向になる為効果的にならない
体重のかかっている方向へベクトルが向く。軸足ではキャッチャー方向になる為効果的にならない

次に2つ目の理由は
「力の方向を適切にする」
と言うことがあります。

先ほどの画像でもイメージできるかと思いますが、
軸足に体重がかかったままの状態でスイングをすると、
力の方向は質量の多い方にいきますのでキャッチャー方向になります。

前足の場合はピッチャー方向へ移動しますので、
力の向かう方向性も適切なものになります。

また軸足回転の場合多くは、
一度骨盤が外方向に向かいます。

これはドアスイング(大振り)の原因や、
バットが過度に下がる原因にもなります。

軸足回転の場合水平に骨盤が回転する→力は外方向にいきやすくなりドアスイングなどの原因となる
軸足回転の場合水平に骨盤が回転する→力は外方向にいきやすくなりドアスイングなどの原因となる

5:運動連鎖を起こせる

最後の理由としては
「運動連鎖」
を起こせるフォームになるということがあります。

前足に支点が移動した時に上半身と下半身には角度に差ができます。
この角度の差があることで筋肉には捻れができます。

便宜上骨盤・体幹・胸部と3つに部位を分けますが、
筋肉が捻れ角度に差があるフォームでは、
骨盤→体幹→胸部の順番で回転をしていきます。

これにより胴体や胸部などを速く回転をすることが可能になります。

幹である部分が速く動けば枝葉の腕(手・バット)も、
速く動くことになりますのでスイングの加速に貢献します。

身体法則と物理法則は無視できない「軸足回転は-15km/h」


まだまだ他の理由もありますが今回は概要的なことを
身体法則と物理法則の視点からお伝えをしました。

身体の法則と物理の法則は万人に必ず発生するものです。
人間の体は個体差はありますが大きな作りは全く一緒です。

なので大きな法則にまずは沿って行くことがレベルアップに繋がります。

野球理論は様々ありますが、
この2つの法則にまずは沿っている事が大原則です。
逆にいえばそれに沿ってないものは理論的に必ず無理が出てきます。

今回の内容はこちらで動画にもなっています。
より実際に動きを入れながら説明していますので、
わかりやすいかと思います。

また計測機も使用して、
実際に軸足回転の場合だと「-15km/h」
スイングスピードが落ちました。
その様子も動画にしております。
合わせてご覧になってください。

これからも発信を続けて参りますので、
よかったらチャンネル登録よろしくお願いします。

スペシャリストコーチ

野球スクール「JBS武蔵」を運営しております。自身のノウハウをYouTubeなどSNSでも発信中!選手は技術を通して自らの可能性を広げ切り開いていけるように、指導者は指導力が上がることで活躍できる選手を育成できるようにと願っています。皆様の野球生活に良い影響が与えられる様に研鑽して参ります。

下広志@JBS武蔵の最近の記事