SixTONES・森本慎太郎とKing & Prince・高橋海人が南海キャンディーズ・山里亮太とオードリー・若林正恭を憑依したかのようなクオリティで演じるドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ)。
それぞれに生きづらさを抱えた“たりないふたり”の青春を繊細かつ切実に描いている。
(関連:高橋海人&森本慎太郎が若林&山里に“憑依”した『だが、情熱はある』第1話をより味わうための“副読本”)
第2話では、若林が「20代って1日たりとも思い出したくない」(『午前0時の森』2023年4月18日)と振り返るうちの前半である、高校卒業から大学進学、そして芸人の道へ足を踏み入れるまでが中心に描かれていた。
第1話同様、より深く楽しめるように、第2話で描かれたエピソードにまつわる、これまで語られたことを紹介していきたい。
(※4月23日現在、第1話・第2話ともにTVerで配信中)
大学アフロ若林
若林は東洋大学文学部第2部国文学科(夜間)に進学する。
大学生になると、若林はなぜかアフロヘアーになった。
ドラマでは「『人とは違う』と勘違いしやすい環境」だと説明されていた夜間大学での生活はこう振り返っている。
スパイシーな学生寮
一方、山里亮太は、お笑い芸人になるために“本場”大阪へ行くことを決意する。その際、両親が出した条件は「関西の人が、『いい大学ですね』っていう大学に行くなら」というものだった(『天才はあきらめた』より)。
だが、現役での受験は失敗。1年浪人して関西大学に合格した。
親に無理を言って大阪に行ったため、一人暮らしなどという贅沢はできず、学生寮に住むことになった山里。当時、関大にはふたつの学生寮があった。それは、おしゃれできれいで、しかも女子と一緒という「秀麗寮」とリーズナブルだが男子寮の「北斗寮」。もちろん山里は前者を希望したが、入寮できたのは「北斗寮」のほうだった。
北斗寮は超体育会系の寮だったのだ。
しかし「鬼のような人しかいないひどい寮」だと思われたくはないとも、山里は回想している。そこで、いい出会いがあったのだ。
その筆頭が、ドラマでは「米原」と呼ばれていた先輩(演じたのは『ブラッシュアップライフ』でも「粉雪」を熱唱した加藤を好演しインパクトを残した宮下雄也)だ。エッセイでは「植松さん」と書かれている。
ちなみに山里は小説家の西加奈子と同い年で同じ大学だった。その西から若林は大学時代の山里について「スラッとして、手足長くて話すこと面白いから、人気があった」と聞いたと証言している(『オードリーのオールナイトニッポン』2019年6月8日)。
大学生活を謳歌し、いつまで経ってもお笑い芸人の養成所に行くなど具体的な動きをしない山里に「亮太、養成所いつ行くの?」と尻をたたき、NSCの願書を取ってきて、その場で書かせ背中を押したのも植松だった。
しかし、山里はNSCに見事合格。ドラマで描かれていたように、先輩が送別会のスピーチで「今日僕の夢が一つ叶いました」と合格通知を出したのだ。
ナイスミドル結成
対する若林は、「大学の授業中に漫才とか書いてみたらやりたくなって。就職するにしても1回人前でやってみたいなって」(『金曜日のスマイルたちへ』2020年6月19日)と、テレビのプロデューサー、つまり裏方志望だった春日を誘い「ナイスミドル」を結成する。
そのライブが先出の「サンミュージックGETライブ」。「200人くらいとかの笑い声って聞いたこと無いじゃないですか。だからかなりウケてる感じがあった」(『金曜日のスマイルたちへ』2020年6月19日)と若林は振り返る。
ドラマでも春日は「我々はもう普通に街を歩ける人間ではなくなっちゃったんだよ」とマスクをして「お前が勘違いするなよ」と若林にツッコまれていたが、実際に春日はわざわざコンビニでマスクを買って裏口から出ていったという。
人見知りは才能
ところでドラマの中では若林はもとより、関西人に萎縮したりする形で山里も人見知りを発動させている場面があるし、事実、入寮当初は人見知りで「ホールの隅で1人ゲームボーイをやっていた」そう。
人見知りである2人はなぜ人前に出るお笑い芸人を選んだのだろうか。若林はそんな質問をよく受けるというが、「そういう質問をする人たちは人見知りを理解していない」と若林は言う。「本当の人見知りこそ人前に出てくるものだ」と。若林はこう続ける。
山里亮太も同じように人見知りのメカニズムを解説しつつ人見知りが芸人に向いている理由を綴っている。
山里に「人見知りは才能」だと教えたのはタモリだ。
本日23日放送の第3話は、おそらく山里や若林がもっとも挫折を味わったであろう暗黒時代が描かれるはず。
そしてついに山里の相方となるしずちゃんが登場するよう。演じるのは富田望生。発表された時点で納得感と期待感のあったキャスティングだ。きっと素晴らしいしずちゃんを見せてくれるに違いない。
(関連:高橋海人&森本慎太郎が若林&山里に“憑依”した『だが、情熱はある』第1話をより味わうための“副読本”)