攻撃ドローンだけじゃない・ウクライナ軍に貢献のトルコの偵察ドローン「バイラクタル・ミニ」動画初公開
ロシア軍侵攻直後に24機を無料で提供
ロシア軍が2022年2月にウクライナに侵攻。ウクライナ軍はトルコ製のドローン「バイラクタルTB2」を利用して侵攻してきたロシア軍に攻撃している。トルコ製のドローン「バイラクタルTB2」はロシア軍の装甲車を上空から破壊して侵攻を阻止することにも成功したり、黒海にいたロシア海軍の巡視船2隻をスネーク島付近で爆破したり、ロシア軍の弾薬貯蔵庫を爆破したり、ロシア軍のヘリコプター「Mi-8」を爆破したりとウクライナ軍の防衛に大きく貢献している。ウクライナ軍が上空からの攻撃に多く利用しているトルコ製のドローン「バイラクタルTB2」はロシア軍侵攻阻止の代名詞のようになっており、歌にもなってウクライナ市民を鼓舞している。
ウクライナ軍がトルコの軍事ドローン「バイラクタルTB2」を活用してロシア軍を多く攻撃している。そして爆破に成功するたびに上空からの動画をSNSで公開して世界中にアピールしている。
そして攻撃ドローン「バイラクタルTB2」を提供しているトルコのバイカル社が提供しているのは攻撃ドローンだけでなく監視・偵察用ドローン「バイラクタル・ミニ」も提供している。
ロシア軍がウクライナに侵攻してきた直後にバイカル社が24機の「バイラクタル・ミニ」をウクライナ軍に無料で提供。上空からロシア軍の動向を精確に検知して、ウクライナ軍によるロシア軍への攻撃に大きく貢献している。その「バイラクタル・ミニ」が初公開されていた。
最近では民生品の安価なドローンも監視・偵察用として多く使用されている。またそのような民生品ドローンに爆弾や手りゅう弾を搭載してロシア軍の兵士や軍事施設を検知したら、爆弾や手りゅう弾を投下している。
攻撃ドローン「バイラクタルTB2」も無償で提供へ
トルコは世界的にも軍事ドローンの開発技術が進んでいるが、バイカル社はその中でも代表的な企業である。バイカル社のCTOのバイラクタル氏はトルコのエルドアン大統領の娘と結婚しておりトルコでも有名。軍事ドローン「バイラクタルTB2」はウクライナだけでなく、ポーランド、ラトビア、アルバニア、アフリカ諸国なども購入。アゼルバイジャンやカタールにも提供している。2020年に勃発したアゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフをめぐる軍事衝突でもトルコの攻撃ドローンが紛争に活用されてアゼルバイジャンが優位に立つことに貢献した。タジキスタンも購入を検討している。
バイカル社では監視・偵察ドローン「バイラクタル・ミニ」を無料で24機ウクライナ軍に提供しているが、ポーランドやリトアニアの市民がウクライナ軍のために募金して攻撃ドローン「バイラクタルTB2」を購入する予定だったがバイカル社は無償で提供していた。バイカル社は「バイラクタルTB2は無償で提供しますので、ウクライナ軍に渡してください。クラウドファンディングで集まった費用は人道的な支援に使ってください」とコメントしていた。
2022年8月にはトルコのウクライナ大使のヴァシリー・ミロノヴィチ氏が軍事ドローン「バイラクタルTB2」を製造しているトルコのバイカル社がウクライナにおいて軍事ドローン「バイラクタルTB2」の生産を行うと地元メディアに語っていた。ヴァシリー・ミロノヴィチ大使によると「ロシアが侵攻する前からバイカル社はウクライナにドローン製造の工場を設置する予定でしたが、ようやく実現します」と語っていた。
またロシアのプーチン大統領もトルコの軍事ドローン「バイラクタルTB2」の購入に強い関心を示しているという報道に対して、ヴァシリー・ミロノヴィチ氏は「バイカル社の幹部と直接話をしましたが、同社はロシアにバイラクタルTB2を提供する予定はないということです」とコメントしている。ウクライナで製造されるようになればトルコからの輸送費や時間は節約できる。製造した軍事ドローンをすぐに利用できるようになる。だがロシア軍から攻撃の標的にされるリスクもある。
「バイラクタルTB2」はウクライナ軍にとってロシア迎撃に貢献しているし、ウクライナ国民にも人気がある。ロシア軍にとっても脅威である。そのため、ロシア軍は「バイラクタルTB2」を検知すると地対空ミサイルなどを発射して徹底的に破壊している。爆破された「バイラクタルTB2」の残骸の写真もよく公開されている。「バイラクタル・ミニ」のような監視・偵察ドローンも上空で爆破されたり、機能停止させられている。
▼バイカル社の攻撃ドローンの「バイラクタルTB2」
▼「バイラクタルTB2」を称えたウクライナの歌
▼ロシア軍によって撃破された「バイラクタルTB2」