【伊勢崎市】秋晴れの空の下、群馬県指定天然記念物へ伊勢崎散歩に出かけませんか?
伊勢崎市連取にある群馬県指定天然記念物の「連取のマツ」を紹介します。
「連取のマツ」という名前の「松」は、この場所に創建した菅原神社の拝殿と鳥居の間に植えられた黒松です。江戸時代の享保2年(1717年)旗本駒井氏地代官の飯島一覚が、隣村韮塚村諏訪の原からこの地に移植したそうで、地元の人達からは「笠松」や「天神松」と呼ばれ、長く親しまれています。
毎年10月には地元の人達によって手入れを行っているそうで、その成果が、307年間生きてきた今の「連取のマツ」の姿なのだと思うと、感慨深いものがあります。
樹高約5m,幹周約4m、枝張りは東西約35m、南北約26m。実際に目の前にすると、松がこんなに大きくなるものかと、ただただ圧倒されます。
鳥居から拝殿まで行くためには、参道である松のトンネルをくぐらなくては行けません。約30mの道を少しづつ進んでいきます。下の方にも枝が伸びているため、途中から腰をかがめ頭を低くし、自然と畏敬(いけい)の念を抱く形になります。更に進んでいくと太い幹がありました。これが「連取のマツ」の根幹です。大きなウロコの様な木肌を成した松は、まさに「巨大な龍」そのものに見え、神社を守る守り神かの様です。
枝の重さに耐えきれず倒れてしまわないよう、支えるための岩があちこちにありました。重なる部分にはゴムシートが挟んであり、枝の摩擦を防ぐためのクッションの役割をしていました。
松をぐるりと囲むように竹を組み、枝先を支えていました。松の枝が青々と元気よく伸び、まるで天を仰いでいるようです。
松の周りにはたくさんの石碑があります。中には「松尾芭蕉」の句碑もありました。全国に約3000基以上あると言われている松尾芭蕉の句碑は、群馬には220基があり全国2位だそうです。そのうち玉村・伊勢崎地域には24基があるそうです。
「連取のマツ」の隣にも立派な松があります。「シンマツ」と呼ばれるこの松は、明治43年(1910年)に植えられたもので、「連取のマツ」より小ぶりではありますが、こちらも114年と長い歴史のある松とのことです。
移植されてから307年もの間、枯れることなく成長してきたのは、地域の方々の「大切に思う気持ちと丁寧な手入れ」をされてきた賜物だと感じました。これからも末長く続く松の歴史を、温かく見守りたいですね。だんだんと過ごし易くなってきたこの季節。ぜひ一度、群馬県指定天然記念物の「連取のマツ」を見に行ってみませんか。
《基本情報》
【名称】連取のマツ(つなとりのまつ)
【指定区分】県指定天然記念物
【指定年月日】昭和28年8月25日
【住所】伊勢崎市連取町591番地
【拝観時間】24時間
【入場料】無料
【駐車場】有