Yahoo!ニュース

PayPay4年で5000万人、マイナンバー6年で5815万人の『差』100億円還元とマイナポイント

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:PayPay

KNNポール神田です。

2022年08月18日、PayPay株式会社(東京都港区:中山一郎CEO)は、3年10ヶ月で登録ユーザー(アカウント登録累計ユーザー数)が5,000万人を突破したことを発表した。

出典:PayPay
出典:PayPay

日本の人口(1億2,493万人)の約2.5人に1人が利用している。

つまり、日本人口の40.0%がPayPayの登録ユーザーであり、決済アプリでは国内最大手となった。

国内QRコード決済における「PayPay」のシェアは決済取扱高、決済回数ともに約3分の2を占め、国内No.1

https://about.paypay.ne.jp/pr/20220818/01/

PayPayの開始した4年前の2018年には、ユーザー数ゼロ、店舗数ゼロという、まったくゼロからのスタートであった。

中でも、やはりインパクトがあったのが、2回にもわたる『100億円あげちゃう』キャンペーンが記憶に残っている。

第1弾は、2018年12月に開催だ。

□『ペイペイ』の100億円プロモーションがわかりにくい理由

https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20181203-00106342

なんとたったの10日間で100億円のプロモーションは終焉!

□『#PayPay ロス』たった10日間の100億円祭りで終わってしまうのか?

https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20181214-00107617

そして第2弾は2019年2月12日からの開始だ。

□2月12日(火)より第2弾!PayPay100億円キャンペーン攻略方法

https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20190204-00113651

2018年10月から始まり、『100億円あげちゃう』×2回のキャンペーンから『マイナポイント』との紐付けキャンペーンと右肩上がりで登録者が続いている…。

■本当は『1,000億円あげちゃう』キャンペーンでもある『マイナポイント』第2弾

出典:PayPay
出典:PayPay

□マイナンバーカードで、『健康保険証としての利用申込み』と『公金受取口座の登録』で決済事業者を変更し、「PayPay」を登録することが可能なため、「マイナポイント第1弾」を上回るペースで登録者数が増加しています。

□「マイナポイント」の登録先に「PayPay」を選択いただいた方が約900万人付与したポイントの総額が約1,000億円となりました。

https://about.paypay.ne.jp/pr/20220818/01/

■PayPayは200億円、マイナポイントは2兆500億円のプロモーション代金 PayPayの102.5倍のプロモーション費用

PayPayは約4年かけて 5,000万人 40%の国民普及率

つまり平均年間1,250万人

大きなプロモーションは100億円あげちゃうを2回分で200億円

一方、マイナンバーカードは6年かけて、5,815万人 45.9%の国民普及率

つまり年間平均969万1,666万人

大きなプロモーションは、マイナポイント第一弾で『2,500億円』第2弾は『1兆8,000億円』の合計『2兆500億円』のプロモーション予算である。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0fc727100cb1c671b2b728f5b4ef768a2aa42834

つまり『マイナポイント2兆500億円』÷『PayPay200億円』=102.5倍のプロモーション費用をかけていることとなる。

■PayPayのキャンペーンは投資回収事業、マイナポイントキャンペーンは普及事業の天と地の『差』

PayPayは普及させるために『200億円』をプロモーション費用にぶち込んだのは、あくまでも普及させたあとに回収を見込んでの投資回収事業である。

一方、総務省&デジタル庁のマイナポイントのプロモーションは、普及させるだけに『2兆500億円』をぶち込んだ。いや、回収するつもりがないので、バラまいているだけだ。

この差は『102.5倍』どころか天と地の差である。

普及させたあとの運用でどれだけ、国民のDXやGDPに貢献できるのかの多大さをもっと考えるべきであろう。

それだけではない、2012年から9年間で8,800億円の支出だ。ベンダーや業者への発注関連事業は、645.6億円から1655.9億円の契約金額で2.6倍に増えた。

さらに、30億3,000万円のシステム障害追加負担費用まで。

これがPayPayだったら、とっくに破綻して、解散している事業だ。

何よりも、PayPayは不便であれば誰も使わないから、年間50数回のアップデートで、日々、改良と改善とUXの体験やワウなサービスづくりに展開している。

デジタル庁の2022年の予算は5,426億円 1日あたり、14億、8657万円だ。

1週間ほど、予算をさいて、マイナンバーカードをしっかりとケアすればこんな単純なエラーも連発で発生させないだろう。

出典:マイナンバーカード
出典:マイナンバーカード

■マイナンバーの最大のメリットは自分に『ガサ入れ』している組織がわかること

現在のマイナンバーカードで、便利なのは、誰が自分の情報に対して『ガサ入れ』をしているのかがわかることくらいだ。

『マイナポータル』にログインし、 https://myna.go.jp/

メインメニュー>やりとり履歴>提供要求状況の確認

で請求するとどんなやり取りがされているのかがわかる。

出典:筆者のマイナポータル
出典:筆者のマイナポータル

すると、自分の個人情報に対してガサ入れしている組織がわかるのだ。

沖縄県名護市が提供し、日本年金機構が、チェックしていたことがわかる。

よく、『マイナンバーカード』を持ちたくない人の理由に『情報が知られている』のが嫌だという人は多い、いや、筆者から言わせてもらうと、マイナンバーカードがなくてもあなたの情報は知られている。

マイナンバーカードがあることによって、こちら側から『ガサ入れ』している相手がわかるだけでもかなり精神的にクリアとなる。

『ガサ入れ』していない組織も同時に把握できるツールとしてかなり有効ではないだろうか?

『資料』マイナンバーカード 2022年7月末で5,815万人 交付率45.9%

 □政府がマイナンバーカードの普及を強力に推し進めている。7月末時点での交付状況は、全国で5815万1191枚。人口に対しては45.9%の普及率だ。これを年度末となる2023年3月末までに「ほぼ全員が取得」を目指すという目標を掲げた。8カ月で倍増させようという計画

https://news.yahoo.co.jp/articles/0675463be6fe16d6f2efe525a6c9918aa4d9321c

出典:総務省
出典:総務省

https://www.soumu.go.jp/main_content/000813420.pdf

□現在マイナンバーカード5,815万人(交付率45.9%)×最大2万円の流通消費マイナポイント額(1兆1,630億円)は、手数料1%だけでもPayPayには、『116.3億円』の手数料収入となっている。

□特にマイナポイント第2弾では、新規取得5,000円、健康保険で7,500円+公金受け取り口座登録7,500円となる。

□なんといってもカードが手元にさえあれば、『PayPay』アプリから簡単に登録ができる。

□『マイナポータル』から登録すると、決済サービスIDやセキュリティコード、電話番号下4桁などの入力が必要となる。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

神田敏晶の最近の記事