ロシアの大型軍事ドローン「Orion」破壊された写真が公開されるのは3機目
2023年4月にロシアの大型軍事ドローン「Orion」がウクライナで迎撃されて破壊された写真が公開されていた。
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。
ロシア軍は主にロシア製の偵察ドローン「Orlan-10」で上空からウクライナの監視・偵察を行っている。たまに「Eleron-3」でも偵察を行っている。2022年11月には「Granat-4」、「Korsar(Корсар)」、「Supercam S150」、「ZALA 421-16Е2」というロシア製の偵察ドローンも破壊されていた。
またロシア軍は、イラン製の攻撃ドローン「シャハド136」「シャハド131」でウクライナの軍事施設や民間インフラなどに攻撃を行っている。「シャハド」だけでなく、ロシア製の攻撃ドローン「KUB-BLA」や「ZALA KYB」、「ZALA Lancet」などでも攻撃を行っている。これらのロシア軍の攻撃ドローンが撃破された残骸の写真はよく公開されているので頻繁に見かける。
そんななか、あまり見かけなかったロシア軍の軍事ドローン「Orion」が破壊されている写真が公開された。「Orion」が迎撃されて破壊された写真が公開されることはめったになく、2022年4月と7月にも「Orion」が破壊されたことがあったようで、今回で3機目と報じられている。
ドローンは攻撃用も監視用も探知したらすぐに迎撃して破壊してしまうか、機能停止させる必要がある。上空のドローンを迎撃するのは、電波を妨害(ジャミング)してドローンの機能を停止させるいわゆる"ソフトキル(soft kill)"と、対空機関砲のように上空のドローンを爆破する、いわゆる"ハードキル(hard kill)"がある。今回発見された「Orion」はハードキルで破壊されている。
「Orion」のような大型のドローンは上空でも目立つのですぐに迎撃されやすい。大型ドローンは搭載できる爆弾の量も多い。そのため地対空ミサイルなどで上空で破壊しておいた方が良い。ロシア軍が多く使用しているイラン製軍事ドローン「シャハド」は標的に突っ込んでいき爆発する、いわゆる神風ドローンだが「Orion」は上空から誘導爆弾で攻撃を行い、標的に突っ込んでいかない。
▼迎撃されて破壊されたロシア軍の軍事ドローン「Orion」
▼ロシアの軍事ドローン「Orion」