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QRコード付き『きっぷ』の登場で、メタボ改札は解消されるのか?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
撮影:村上 琢太

KNNポール神田です。


■鉄道8社、磁気つき近距離切符を『QRコード』に置き換え化へ

□首都圏で運行する鉄道8社(JR東日本、京成電鉄、京急電鉄、新京成電鉄、西武鉄道、東京モノレール、東武鉄道、北総鉄道)は、裏面に磁気の付いた、改札機に投入するタイプの現在の切符を、近距離については将来的に、印字されたQRコードを改札機にかざすタイプのものに置き換えていく方針を発表しました。
□置き換えは、2年後の2026年度末から順次、実施していくとしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240529/k10014464351000.html

日本で開発された『QRコード』がこのように切符にも利用されると非常に世界のインバウンド客に対して誇らしい。しかし、すでにスマートフォンによるチャージ型やクレジットカードによるあと払い改札が可能なので、フィジカルな物質切符の利用は、減る一方だ。

■飯櫃化する首都圏のデジタル&アナログ改札

撮影:村上 琢太
撮影:村上 琢太



いったい、どこにタッチしてよいのか悩んでしまうような都心の改札口。撮影者はThunderVoltの村上タクタ氏

スマートフォンによる後払いも対応に、NFCの『SUICA』などのフェリカ対応、タッチ決済にQRコード。そして従来の『磁気つき切符』の駆動部のある複合改札は後付にしても、運用でコストが発生する。
特に、『磁気つき切符』の場合は物理的に0.01秒単位で処理をするために、定期的なメンテナンスは必須であった。

また、使用された磁気切符はリサイクルのために、磁気部分をはがす必要があり、リサイクルコストが発生している。QRコードに磁気切符を代えることにより、改札の運用コストが激減され、リサイクルコストも削減される。
付加されるコストは磁気ではなく、切符にユニークなQRコードを印字するコストであり、そのコストは、磁気切符の運用コストから捻出できるコストである。

現在の切符の利用率は5〜10%程度にまで減っている。

かつて、『切符切り』といって改札に駅員さんがいて、ハサミで切り口を『入鋏(にゅうきょう)』していたといっても、ピンとこない人が大半となってしまった。

そのうち、顔パスや、近距離ICチップなどで、精算できる仕組みがあるので、改札口そのものが『不要』という時代がやってくるのかもしれない。

ヨーロッパの国々のように、『改札口』そのものがなく、抜き打ち検査で膨大な違反料を科すといったような、性善説にもとづいた方式もありなのかもしれない。
改札口にかけるコストと違反をする人を取り締まる人のコストの比率の問題だからだ。






ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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