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【河内長野市】ついに河内長野に土俵ができた!初開催の巡業河内長野場所前日の市民体育館の様子をレポート

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

すでにご存じの通り、本日、河内長野市制70周年のタイミングで初めて、大相撲の巡業「大相撲河内長野場所」が開催されることになりました。

先月行われた顔合わせの場面については記事にした通りです。チケットはとても好評で発売当日から希望者が殺到し、気がつけばすべて売切れたとのこと。今年は新しい大関が誕生するなど大相撲人気が再び盛り上がっており、この前の本場所九州場所でも満員御礼が続いたので、当然と言えば当然だったのでしょう。

そして本日、いよいよ大相撲河内長野場所が開催されるのですが、そのためには会場となる河内長野市立市民総合体育館に土俵を作らなければなりません。ダメもとで市の担当の方に見学できないか打診したところ、まさかのOKが出たので、昨日体育館に行ってきました。

昨日は体育館の利用が全面的に休止となり、関係者以外の立ち入りが制限されていました。そして体育館の前には「日本相撲協会」と書かれた幟が上がっています。

市の担当の方に2階の正面スタンド席に案内されました。ちょうど土俵づくりの作業を行っています。この前見学した時の体育館ではどうなるのか予想もつきませんでしたが、こんな感じなんですね。

正面スタンドの向かい(向正面)には、「大相撲河内長野場所」の文字と「満員御礼」と書かれた幕が垂れ下がっています。

職人さんが土俵をたたいて固めていました。

珍しいシーンなので少し動画に抑えました。

また、花道にオレンジ色のテープがついていますが、その周りにマス目のようなものが並んでいます。これがタマリ席とペア升席ですね。体育館のコートが汚れないようにびっしりと養生テープのようなものが張られ、その上にひとりずつの升席がテープで仕切られています。これだけの作業だけでも本当に大変ですね。

タマリ席やペア升席には座布団が置かれていて、座布団は席を買った人のお土産として記念品になるようです。そして画像の段ボールの中に座布団が入っていたのですが、そのダンボールをゴミ箱として再活用しています。こういうのをみると、SDGsっぽさを感じました。

土俵では固める作業が終わり、次の行程に入っています。

仕切り線のペイントをしています。

両方ともに仕切り線が描かれています。

さて、こちらの袋、右が砂で左が塩です。

土俵の上に砂が撒かれました。

土俵の色と砂の色がずいぶん違いますね。

そして、白っぽいのがみえますが、あれは塩です。四隅に盛り塩が使われています。

砂の上に幣帛(へいはく:神前に捧げるもの)が差し込まれていて、清めの塩が撒かれています。

大相撲には神事の側面もあるので、こういうことを行うわけですね。

さて、ここで観覧用の席がどんなものか確認しましょう。

このように大きくアリーナ内の席とスタンド席と2種類あり、スタンドは椅子席だけですが、アリーナ内は椅子席のほかタマリSとA席とペア升席、アリーナ椅子席と細かく分かれています。

こちらはスタンドの椅子席です。

このように椅子にシールが貼られていて番号が付与されています。

同じ椅子席でもこちらに見えるのはアリーナ椅子席です。

そしてこちら、赤い升目のほうがタマリ席で前の方がS席、後がA席です。

そして手前の青い升目は長方形で、座布団が2つ並んでいます。これがペア升席ですね。

せっかくなので、座布団を見てみましょう。座布団は真空パックされていて、当日利用時にパッケージを外すものと考えられます。そしてタマリ席の座布団には「大相撲河内長野場所」と、書いてあります。つまり河内長野場所記念座布団です。ペア升席は記載のない通常の巡業座布団です。

座布団の後ろです。大きく「大入」と書かれていました。

さらにこのようなものを見つけました。背もたれ付き座椅子のレンタルです。3000円のうち2000円がデポジットということで、実質1000円とのこと。何しろ巡業は9時から15時まで行われる長丁場ですから、背もたれがあるのとないのとでは違います。当日観戦する方で腰の負担が気になる方は、当日お土産販売コーナーで頼みましょう。

さて土俵が完成し、この後は土俵祭が行われます。本場所の土俵祭は日本相撲協会の公式ページ(外部リンク)で紹介されています。巡業なのでそこまで大がかりではありませんが、土俵祭は行われます。

ここで「ぜひ土俵祭に参加してください」と私に声がかかりました。私は取材目的の部外者なのに「いいのかな?」と思いつつ参加するためにアリーナのエリアに降りました。

ということでみんなが集まるところに来ました。真ん中で腕を組んでいる方は松ヶ根親方です。現役時代のしこ名は玉力道で、最高位は東前頭8枚目、十両優勝と三段目優勝をそれぞれ1回ずつ果たしています。

松ヶ根親方
松ヶ根親方

少しだけ松ヶ根親方からお話を伺いました。親方は「巡業なので、力士とお客さんとの触れ合いを大切に、お客さんを楽しませる内容にしたい」といわれました。

私は大阪と名古屋での本場所観戦の経験があるのでわかるのですが、本場所で特にNHKのテレビ放映される頃に登場する取組前の力士は、近くで見ると本当にピリピリしていて近づきがたいものを感じました。巡業は今まで未経験ですが、おそらく本場所とは違った少し和やかな雰囲気の力士の姿が見られるのでしょう。

さて、正面に日本酒が置いてあります。よく見ると「天」の字が見えますね。

そうです。河内長野の地酒「天野酒」です!全国各地で相撲巡業が行われますが、その地に必ずしも地酒の酒蔵があるとは限りません。土俵祭で日本酒が清めに使われる以上、地元で醸される日本酒があるのはとても良いですね。

土俵祭が行われます。清めの酒を土俵に振りかけたあと、全員で二礼二拍手を行います。

土俵の上で儀式が始まります。

日本酒を片手にまず隅から清めます。

このように清めていきます。

順番に清めていきます。本場所の土俵祭には場所中の安全と興行の成功、国家の安泰、五穀豊穣を祈念する意味がありますが、巡業でもそれに準じる意味があると考えられます。

普段はなかなか見られない貴重な機会を頂いたと思いました。

四隅にかけた後は土俵の輪になぞるようにかけていきます。

こうして日本酒での清めが終わった後、全員で二礼二拍手を行い無事に土俵祭が終わりました。

この後は残った日本酒を土俵祭に出席した皆さんに配ります。

土俵を作った職人さんや場内の席を用意した皆さんなど関係者にふるまわれました。

なぜか私にもふるまいの日本酒が来たのでありがたく頂きました。天野酒さんはやはり好きな味です。

無事に土俵祭も終わり、真新しい土俵を間近で拝見しました。

俵には清めの盛り塩があります。結界を作っているものと思われます。

中央に盛砂と幣帛があります。これは巡業当日は無くなっていて代わりに力士が上がるわけですね。

そして、こちらは土俵で力士が撒く塩、その横にある柄杓(ひしゃく)は、次取組を行う力士に力水(ちからみず)をつけるときに使うものです。

土俵祭の後、作業をしている皆さんはしばらく休憩中でした。

あまり長居すると、この後の作業の邪魔になって当日の巡業に影響を与えてはいけないので、私はそそくさとその場を後にしました。

さて、本日の予定です。9時から開場で公開稽古が行われます。12時から幕下以下の取り組みなどが行われ、13時30分から幕内と横綱の土俵入りと幕内の取組、そして15時に弓取式と打ち出しが行われて終了です。大まかなスケジュールはこうなっていますが、このほかにも巡業ならではの見どころがあるので、本日観戦する方は楽しみましょう。

開場にはフードトラックが来ていました。調べると、讃岐うどんのフードトラックが登場するようです。またイズミヤの2階平面駐車場にもフードトラックが来るそうです。

河内長野市市民総合体育館(大相撲河内長野場所)

住所:大阪府河内長野市大師町25-1

開催日時:2024年12月15日9:00~15:00(要チケット)

アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩10分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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