【河内長野市】サポートブックはーと全出生児配布記念「はーとフェスin河内長野」が28日キックスで開催
私は他地域から移住してきたので感じることかもしれませんが、河内長野市は、あいっくをはじめとして、子育てのサポートが充実している自治体のような気がしています。
こちらは以前あいっくさんで見せてもらった「サポートブックはーと」と呼ばれるノートで、子どもが誕生してからの成長記録をこのノートにまとめることができます。
「サポートブックはーと」は、2014(平成26)年から、障がいを持つ子どもに対して配られていたそうですが、去年、2022(令和4)年からは市内で生まれるすべての子どもに対して配られるようになりました。
そのことを記念して、明日28日火曜日に、河内長野市が共催する「はーとフェスIN河内長野」というイベントが、キックス(河内長野市立市民交流センター)で行われます。
しかし、趣旨はわかったものの、チラシを見ただけではいまいちわかりにくいところがありました。そこで関係者の方にお話を伺うことにしました。
インタビューは、主催するピアはーとの森田智子さんと土本由紀子さん、河内長野市商店連合会(外部リンク)の高比良会長にお願いしましたが、その前に21日からの先行イベントがあったのでそちらに立ち寄りました。
それは「サポートブックはーと」パネル展示会で、28日の当日までキックス1階で行なわれています。内容はズバリ「サポートブックはーと」がどういったものであるかを知っていただくために、実物を展示しているのです。
ということで、キックスに行って「サポートブックはーと」パネル展示会を拝見しました。その模様を紹介しながら、インタビューで伺ったお話の内容を紹介します。
「サポートブックはーと」は、前述したとおり、元々は障がいをもつ子どものためのノートとしてスタートしました。
このノートの配布を行うきっかけが、障がいを持つ親御さんの悩みでした。
ひとくちに障がいといっても、ひとりひとりで何ができないかが異なるので、それに応じたサポートが必要になります。そのため、このノートができるまでは親御さんが学校や園の先生方などのサポートをしてくださる方々に、事細かく説明する必要がありました。
障がいを持つ子どもの親として、ひとりひとりの障がいについて、理解してもらったうえでサポートしてほしいとの願いがあり、どんな障がいがあるのかがサポートする側にわかるものが欲しいと考えました。
その思いが通じた結果、2014(平成26)年に「サポートブックはーと」の制作と配布が決まりました。
その2年後の2016(平成28)年に、森田さん、土本さん、中村さんの3名が中心となって「ピアはーと ~サポートブックを拡げる親の会~(外部リンク)」という団体組織を立ち上げました。
これはメンバーを増やすことが目的ではなく、イベントや勉強会に気軽に参加してもらおうという趣旨で立ち上げたもの。同じ子育てに関する不安を持つ親御さん同士で、情報を共有しようという試みです。
ピアはーとさんの活動についてはその後進展があり、2018(平成30年)度に、河内長野市の協働事業提案制度(外部リンク)を利用したうえで、2019(令和元)年に共同事業化が決まりました。
それからは河内長野市障がい福祉課と連携し、ラブリーホールなどの公共施設を使って活動しています。
そんなさなか、コロナ禍が起こります。いろいろとやりたいことがあってもそれができる状況ではありません。音楽会などの小イベントも休止に追い込まれたそうです。
ただ、それでも支援や研修に関すること、ワークショップに関しては、感染対策を意識しながら行っていたそうです。
そして昨年2022(令和4)年になって、「サポートブックはーと」が全出生児の配布が決まりました。
その理由をお伺いすると、障がいを持つ子供だけでなく、市内にいるすべての子供に対象を広げ、その子供たちを市全体で守りたいという思いから実現したそうです。
そして今年2023(令和5)年、あらゆるイベントが復活しようとしているタイミングに、大掛かりなイベントを企画しました。それが第1回はーとフェスin河内長野なのです。
ところでここでひとつ疑問が起こりました。子育ての分野でのお話なのに、なぜ河内長野市商店連合会の高比良会長が関係しているのでしょうか?
高比良会長によれば「今回の分野は福祉なので、本来、我々商売人とは接点が無かったのです。しかし福祉と考えるのではなく、商店として考えたときに、今回のイベントによって結果的に新しい顧客の開拓につながるのではないか」と考えたそうです。
高比良会長によれば、今年、市内に生まれたすべての子供にサポートブックが配布され、子育てが大変な親御さんに対してみんなで守る必要を感じたそうです。
そこで商店連合会も全面協力して、「みんなで子育てをがんばろう」ということで、こうして市全体のイベントになったのです。
さて当日の様子ですが、12:45から4階のイベントホールで基調講演、宮崎充弘氏と新谷紀子氏による対談があります。
宮崎氏はピアはーとの顧問、新谷氏は元あいっくに所属され「サポートブックはーと」の作成に従事されていた方とのことです。
基調講演の後、このように4つの会場にわかれて催しが行われます。
A会場である4Fイベントホールでは、基調講演の後に、はーと記入コーナーが設置されます。ここで、実際に配布されたサポートブックの記入についてサポートがあります。
また、お楽しみコーナーとして、バルーンショー、ジャグリング体験があり、これは当日参加することができます。
B会場は4階の創作工房・食工房です。これについては当日の整理券が必要とのことで、11:30から4階のエレベーター前で整理券が配布されます。対象年齢は年長から中学生ですが、小学1年生までは保護者の付き添いが必要とのこと。
ここは商店連合会が全面協力しているブースで、次のお店が子どもたちにワーク体験を提供してくれるのです。
- hair’s ashさん(カット体験)
- 蕎麦博さん(そば打ち体験)
- ダスキン河内長野さん(お掃除体験)
- LIVINGかわちながのさん(大工体験)
ちなみに「カット体験」は、美容師さんが練習のために使用しているかつらを使って行なうそうです。
また関連したものですが、上記Youtubeにて「【はーとフェス】街の応援プロジェクト」ということを行いました。これは、子供たちがいろんなお店に行って取材体験をしている様子が動画になっています。
ちなみにこのリンク先は、イベント当日も登場される蕎麦博さんのものです。他にも、いろんなお店で体験した動画がありますので、ぜひご覧になってください。
C会場は、4階の多目的スタジオにてダンスパワーズによるダンスレッスンの体験が行われます。残念ながらこれは事前申し込み制なので、当日参加はできません。
D会場は大会議室で遊びのコーナーが行われます。こちらは事前予約不要です。
- ピンボールゲーム
- 手作り体験(革細工、ヘアゴム、おもちゃ)
- 昔遊びコーナー
- 子供マルシェ(手作り品販売)
今回は各支援施設とも連携しており、連携施設関連がこちらのブースになります。画像のヘアゴムは、生活介護うららさんによるものなのだそうです。
このほか、革細工はデイサービストリプルさん、おもちゃはTOYクラブさん、ピンボールゲームはポエムさん、缶バッチはサトスポキッズさんの協力です。
15:30からは4階のイベントホールでこちらも事前の申し込みなしで、音楽会とダンス発表会に参加できます。みんなで歌って踊れるのでこれは楽しみですね。そのあとエンディングへと続きます。
ということで、お三方からイベントの趣旨と内容についてお話をお伺いしました。
28日に行われる「はーとフェスin河内長野」は、明日3月28日火曜日の12:45~16:00までキックスで行われます。
子育て世代の親御さんでお時間がればぜひ参加してみましょう。
お話を伺った後の帰り道、リビングかわちながのさんの近くにある中村池公園の前を通りましたが、ちょうど雪柳が美しい白い花をつけていました。雪柳は寺ヶ池公園のものを毎年見ていましたが、中村池公園の雪柳も美しいですね。
雪柳の花は小さくて、かつ多くの花が幹に付いていますね。お話を伺った後だからかもしれませんが、この小さな花が、子供たちひとりひとりのような気がしました。
時間帯が夕方だったこともあり、雪柳の横では子どもたちが大声を出して遊んでいる姿も見られました。
河内長野市は少子高齢化が加速していると警戒感がある一方で、あいっくのときもそうでしたが、今回の「はーとフェス」のお話を伺うと、子どものことを考えて市全体で子どもを守ろうという試みがしっかりしているなと感じました。
河内長野市は、子育てには非常に良い町だと改めて。
ひょっとしたら「予想されている少子高齢化の加速がどこかで鈍化するのではないのか?」そんなことを、雪柳の小さな花を見つめながら感じました。
キックス(河内長野市立市民交流センター)
住所:大阪府河内長野市昭栄町7-1
開催日:2023年3月28日(火曜日)
開催時間:12:45~16:00(12:15入場受付開始)
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 市民交流センター前バス停下車すぐ
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