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ワールドシリーズもNFLも今週はドタバタな『ズッコケ』珍プレーが注目を浴びる

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
ワールドシリーズ第4戦、大転倒しながらもサヨナラの得点を記録したアロザレーナ(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月24日(日本時間25日)に開催されたワールドシリーズ第4戦は、レイズが1点を追う9回裏2死走者1、2塁の場面で途中出場のブレット・フィリップスが、ドジャースの守護神ケンリー・ジャンセンから中前打を放った。中堅手のクリス・テイラーが打球を後ろに逸らすと、一塁ランナーだったランディ・アロザレーナは三塁を回る。しかし、三本間で足がもつれて大転倒。3アウト・チェンジで延長線に突入かと思われたが、ドジャースの捕手ウィル・スミスが送球を後逸してアロザレーナがサヨナラのホームに滑り込んだ。

別角度からの映像はこちら。

 大事な場面で2つのエラーと大転倒が重なり、まるでドリフターズが演じるコントのようなドタバタな幕切れとなったワールドシリーズ。

 この場面をテレビで視聴したアメリカのスポーツ・ファンは、数日前にも同じような光景をテレビで観たと感じたはずだ。

 それは10月22日(日本時間23日)に行われたNFLのサーズデイ・ナイト・フットボールでのこと。

 第3クォーターに3点差を追うニューヨーク・ジャイアンツのクオーターバック(QB)、ダニエル・ジョーンズは自軍12ヤード地点からのプレーで、自らボールを持って走るランを選択。80ヤードを独走して、逆転のタッチダウンを決めるかと思われたが、足をもつれさせてエンドゾーンの8ヤード手前で自ら転倒。

 ジョーンズのこの走りは時速21.23マイル(33.9キロ)を計測。これは過去3シーズンのQBのランプレーで最も速く、NFL最速選手の対リーク・ヒル(カンザスシティ・チーフス)が今季記録した時速21.29マイルに肉薄する驚異のスピードだった。

 学生時代には短距離のスプリンターとしても活躍したヒルは、100メートルの自己記録が9.98秒(追い風+5.0の参考記録)で、2012年の世界ジュニア陸上ではアメリカ代表チームの一員として4x100メートル・リレーでは金メダルを獲得。個人種目の200メートルでも20.54秒(ケンブリッジ飛鳥は21.24秒で準決勝敗退)で銅メダルを手にした本格派スプリンターだった。

 ジャイアンツはこのドライブで逆転のタッチダウンを決めたが、第4クォーターにフィラデルフィア・イーグルスに2つのタッチダウンを許して逆転負けを喫した。

 ワシントンDCの地方テレビ局でスポーツ・レポーターを務めるメーガン・プレインは、2つの大転倒プレーを並べた動画をツイッターに投稿したが、2つの異なったスポーツのプレーのシンクロぶりに笑えてくる。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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