人はなぜ誕生日に自殺するのか
■<自殺>誕生日は1.5倍「サポート必要」
誕生日は自殺の危険性が高まると報道されています。
■人はなぜ誕生日に自殺するのか
人は、本来なら楽しいはずの日に寂しいと、強く孤独感を感じます。
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そのために、誕生日の自殺が多くなることも考えられます。
またこの報道では研究の詳細はわからないのですが、自殺者の多くは中年から高齢の人です。高齢者の自殺の特徴のひとつとして、「記念日自殺」があります。
高齢者は、覚悟の自殺が多いのですが、人々の記憶にとどまりたい思いからか、記念日に自殺する多くの人がいます。これまでの研究でも、敬老の日に自殺する人が多いことがわかっています。
誕生日も、敬老の日も、記念日であり、そして本来なら大切にされる日なのに孤独だと、死への思いが強くなるのでしょう。
誕生日の自殺に関しては、「延期仮説」(誕生日までは我慢する)や「誕生日ブルー仮説」(誕生日に憂うつになる)などの用語でも説明されています。
■誕生日にはなぜ事故死も多いのか
いつもとは異なる行動をとるために事故が多いとも考えられます。一方、一般に自殺が多くなるときには事故死も多くなるという研究もあります。
自殺は、一目でわかる自殺方法から、自殺か事故しかわからない方法まであるからです。あるいは、自殺する具体的な気持ちではなくても、死にたい気持ちで乱暴な行動をとっていると、結果的に死亡事故につながることもあります。
■自殺研究を活用するために
すべての人の、すべての時の自殺を予防したいと思います。しかしそう考えるだけでは、対策が薄くなってしまうでしょう。どのような人が自殺の危険性が高いのか、どのような場所が危険なのか、そしてどのような日に自殺の危険性が高まるのか。そのような傾向をしることで、的を絞った自殺予防活動ができるでしょう。
日本の自殺率は近年低下したとはいえ、それでも、毎日約70人の人が自殺しています。それは、交通事故死の約6倍です。