誰にも負けない母の味!ベトナム料理と文化そのものを味わって【神戸市・サイゴンチュンハイ】
皆さんは、ベトナム料理の地方による味の違いをご存知でしょうか。私はここ「SAIGON Truonghai (サイゴンチュンハイ)」で食べるまでそれを知りませんでした。
神戸近辺にあるベトナム料理屋さんはベトナム北部の味付けの店が多いそうなのですが、ここは南部特有の味なのだとか。
「南の特徴として、主張が強く味がしっかりしているんです」と教えてくれたのは代表の石田さん。具体的にどんな味なのか早速食べてみることに。
定番メニューで人気のブンチャー「チュンハイスペシャル」には、揚げ春巻きと、レモングラス風味の豚焼肉、豚つくねが載っていて、その下にはビーフンが隠れています。
甘酸っぱいタレをそこにドバッと投入し、大胆にかき混ぜてみました。一体どんな味になるのでしょうか。
揚げ物の油分やお肉のジューシーさと、大根、人参、胡瓜などシャキシャキ食感のさっぱりしたお野菜とがバランス良く、そこに粉砕ピーナッツのコリコリ感や香ばしさが混じっています。
味の決め手は自家製タレ「ニョクマム」。販売もしているそうで、最近のチャレンジとして「調味料選手権」の世界の調味料にエントリーしてみたんだとか。その味にしっかりとした自信があるからこそですね。
香草の香りが風味を後押し。さっぱりとしているけど食べ応えもあります。色んな味がするのですが、どれもが引き立て合っていてバランスが良く、爽やかな酸味が全体の味をキュッとまとめていました。
時々、気まぐれに登場するメニューの「ブンボーフエ」。中部フエ地区の有名な料理で、これから定番メニューに仲間入りするかも…ということで、こちらもお味見を。
スープをひと口啜ると、一辺倒ではない複雑な味に驚きました。どこか繊細で優しい味なんだけど風味がしっかりと残るんです。
途中からスープに海鮮ジャンを入れて味変をしたのですが、濃い味が加わってもスープの味が消えずにちゃんと主張していたのが凄い。そこに自家製サテジャンも加わると辛味と旨味がたっぷりに。
それぞれの料理に決まった太さの麺があるそうで、こちらはプリッとした食感の喉越しの良い麺でした。ライムを絞ってから野菜をたっぷり混ぜ込んで食べると美味しいですよと、食べ方を説明してくれるのが嬉しい。
味わいから食べ方まで、色んな角度から「文化としてのベトナム」をもっと知ってもらえたらと思って取り組んでいますと石田さん。
その理由として、流行りなどから形式だけを真似てしまうと間違ったベトナム文化が広まってしまう…最近のそんな状況を危惧している部分があるからだと言います。
石田さんのお母さんは、20歳頃までベトナムで暮らしていました。天秤棒の両籠に手作りの食べ物を入れて売り歩いていたのだとか。サイゴンチュンハイのロゴマークになっているのは、そんなお母さんの姿なのだそうですよ。
現在でも現役で、サイゴンチュンハイのメインシェフとして活躍しているというお母さん。時折厨房から聞こえるベトナム語は、石田さんとお母さんとの会話だったのですね。
ベトナム南部、オールドサイゴンの味。サイゴンから来た留学生たちもここに来ては、地元の懐かしい味わいを楽しんでいくようです。
あちこち食べ歩いてはいるけれども、いまだかつてお母さんが作ったブンチャーを超える味には出会えていないという石田さん。味の裏にある愛情もじんわりと感じます。
皆さんもぜひ、ベトナムの文化と美味しさに出会いに「サイゴンチュンハイ」へ行ってみてはいかがでしょうか。
SAIGON Truonghai (サイゴンチュンハイ)
サイゴンチュンハイ ホームページ (外部リンク)
サイゴンチュンハイ インスタグラム (外部リンク)
電話:078-797-5195
住所:神戸市長田区久保町4丁目3−7
時間:ランチ 11:00~14:00
ディナー 17:00~20:00(L.O.19:30)
定休日:木曜日+α (*要確認ください)
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取材協力:サイゴンチュンハイ