「インスタ投稿で稼げる」で消えた8億円『カシャカシャ商法』に要注意
KNNポール神田です!
「インスタ映え」が普及し、浸透すればするほど、インスタグラムで、カシャカシャ儲かるみたいな情報商材ビジネスも同時に増えている…。それが、巧みなキャンペーンとのあわせ技で8億円も売り上げていたとは…。しかも、消費者庁や東京都も、このビジネスに対して、消費者に注意喚起を呼びかけることしかできず、それ以上に踏み込めないところに、この『カシャカシャ商法』のズル賢さと心理的な闇がある。
「あなたの写真が、今すぐお金に変わる!」などとうたい消費者に情報商材等の購入を持ちかけ、多額の金銭を支払わせる事業者に関する注意喚起
株式会社アイデアは、4800人で8億円、平均しても一人あたり16.7万円を稼いだ。その手口は、2万円の情報商材の販売に終わらず、3日間でノルマを達成すれば3万円のキャッシュバックがあるという手法だ。つまり1万円の収入が発生すると謳うのだ。
URLも公開されているので、見てみると、主要取引先企業に、ヤフー株式会社もあった。ヤフーの法務担当部署は、ぜひ一度チェック願いたいものだ。
この『カシャカシャ商法』のズル賢さは、完全な詐欺ではなく、集客ノルマを達成したわずかな人には、2万~3万円のキャッシュバックを行っている点が詐欺ではない点だ。限りなく詐欺に近いけど詐欺ではないから刑事事件に発展しない。ほとんどの人が、期間内にインスタグラムでの集客を達成できず、さらにフォロワーを自動で集客する7万円のツールの購入を電話で勧められ、投資コストを回収したい心理から、ついつい、そちらも購入する。すると、さらに泥沼化していき、損切りしたくない為の追加投資へと励むのだ。最初は2万円の情報商材だったのが、その後は、巧みな電話での儲けハナシに、ついつい乗ってしまう…。すべて自己責任による被害だ。
この『カシャカシャ商法』の存在要因は、『オレオレ詐欺』とちがい、あくまでも判断しているのは、楽して、簡単に儲けたいと願っているカモとなる本人たちだ。普通の人は、そんなに甘いハナシがあるわけはないと疑ってかかる。しかし、カモとなる予備軍の人たちは、2万円の投資だったら…と、ついつい自分の存在を業者に、わざわざ知らせてしまうのだ。当然、2万円の情報商材で成果がでるワケもなく、電話で丁寧に相談を受け、その術にハマるのだ。そう、カモ予備軍の心理は、すでに綿密に計算されつくしているので、カモ予備軍が、本当のカモになってしまう。
ネット上の『動画』に騙されないこと
「カシャカシャビジネス」でYouTubeなどを検索すると該当する動画にたどり着く…。
この動画を見て、反応するのは2つのタイプの人だ。大多数は、この動画に全く興味を示さない。こんな事で日給5万円、月収150万円になるワケはないと考える正常な人だ。しかし、ごく少数の人はどうしたら、これが実現できるんだろう…と気になって仕方がなくなる人たちがいる。動物園やディズニーランドに行って写真をとるだけで…?どうして何だろう?と興味を持って考えてしまう。そう、インスタグラマーでインフルエンサーが儲かっているようなハナシだけは聞きかじっているからだ…。まずは、問い合わせてみようという気になってしまうのだ。2万円の投資だったら、払えなくもないからだ…。3日後に確実に3万円…。この情報の信憑性はどこにもないにもかかわらずだ。その後、小さく「※個人差があります。」と表記される文章を目にすることとなる。いやいや、この『個人差がある』というワーディングは、情報商材の常套句だ。効き目や成果がでなくても、それは、すべて「あなたの個人差」になってしまうからだ。これで詐欺ではなく、あなたの能力次第で逃げられる情報商材の免罪符の言葉だ。
すべては「自己責任」と言う名の詐欺まがい行為にこの世は溢れている
消費者庁や東京都も、詐欺でなければ注意勧告しかできない。社名を周知できても、同様の『カシャカシャ商法』のヤカラはいたる所に存在しているのだ。次から次と登場し、さらに、より巧妙な手口になっていく。詐欺にならないギリギリのところで情報商材を売る。そして、さらにカモたちには電話で美味しいハナシをもってくる。今だけ、特別に安くなったりするのだ。まずは、必ず気持ちをクールダウンさせること。そして、ネット上の美味しいハナシは、ほとんど詐欺と思って相手にしないこと。時間をかけて決断する事。もしくは、徹底的にそのビジネスの事業者が、どうやって事業を回しているのかを、事業者目線で観察してみる事。どこから見ても、『カシャカシャ商法』の事業者は、あなたなみたいな人からしか収益を得ていないことがわかる。事業者視点でビジネスを見ると、この会社は何で儲けているのかが見えてくる。勝手に儲かるはずと思い込んでしまうあなたの「自己責任」で事業がまかり通ってしまうのだ。ネットの謳い文句はすべて、サクラであったり、登場人物は著作権フリー画像集の人だったりする。詐欺か詐欺でないかの一線ギリギリのところで存在している事業だ。詐欺でなければ、自己責任の商行為でしかない。
まっとうなネットビジネスも、胡散臭い詐欺まがいのネットビジネスも、ネットで見ると違いが非常に見えにくい。まずは、すべて疑ってかかるくらいでちょうどなのだ。人生も仕事もそんなに甘くない。ラクして儲けたいと思っている人ほど、悪徳事業者をラクして儲けさせてしまうのだ。