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ダブル熱帯低気圧が発生へ、今後の動向は?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

ダブル熱帯低気圧が発生へ

天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)
天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)

きょう21日(日)午前3時、フィリピンの東海上で、新たな熱帯低気圧が発生しました。タイトル画像の雲の様子をみると、真っ白に見える雲頂高度の高い積乱雲が熱帯低気圧の中心の南側に密集しています。

そしてもう一つ、日本の南東海上に低圧部の雲があります。低圧部とは低気圧性の循環はあるもののその中心がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心が推定できるようになると、熱帯低気圧に呼び名が変わります。

気象庁の予想天気図によると、この低圧部は北寄りに進みながら、あす22日(月)夜までに、小笠原諸島の東海上で熱帯低気圧に変わる予想です。

これらダブル熱帯低気圧のその後の動向はどうなるでしょうか?

ダブル熱帯低気圧のその後の動向は?

太平洋高気圧とダブル熱帯低気圧の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧とダブル熱帯低気圧の予想(ウェザーマップ)

ダブル熱帯低気圧は太平洋高気圧の影響を大きく受ける予想です。

まず、フィリピンの東海上で発生した熱帯低気圧は、沖縄付近にある太平洋高気圧の縁辺を西寄りに進み、フィリピンの北部をかすめるようにして進んだ後、南シナ海から大陸へ向かう計算が大半を占めています。

ただ一部の計算ではありますが、台湾付近を北上して、沖縄に影響を及ぼすような予想も散見されますので、念のため、沖縄方面は今後の動向に注意が必要です。また海水温は高く、30度近くありますので、台風へと発達する可能性も考えられるでしょう。

一方、今後発生が予想されるもう一つの熱帯低気圧は、小笠原諸島(父島)の東海上を北上した後、太平洋高気圧の割れた部分をさらに北寄りに進み、日本の東を北上する計算が多くなっています。こちらの熱帯低気圧に関しては、今のところ、日本付近へ影響する可能性は、ほとんどないものと思われます。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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