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アストロズに続きレッドソックスでもサイン盗み疑惑が! 同時期に両チームに所属していたある人物とは?

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
サイン盗み疑惑がある時期に両チームに所属していたアレックス・コーラ氏(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【アストロズに続きレッドソックスのサイン盗みを告発した米メディア】

 昨年11月に、現役選手らの証言を元にアストロズの不正なサイン盗み行為を告発していた、米スポーツ専門メディアの『The Athletic』が現地時間7日、同じくチーム関係者から話を聞き、レッドソックスでもサイン盗みがあったと報じた。

 現在MLBによる調査がアストロズの調査が続いている中、米球界に更に波紋が広がることになりそうだ。

【ビデオリプレー・ルームを使用したサイン盗み】

 同サイトの報道によれば、レッドソックスの関係者の話として、5年ぶりにワールドシリーズを制覇した2018年シーズンにサイン盗み行為を行っていたとしている。

 その方法は、各チームがビデオリプレー(日本の「リクエスト制度」)を使うかどうかを決めるビデオリプレー・ルームを使い、捕手のサインと投手の動作を元に球種が確認できた後、その情報をベンチ経由で走者に渡し、打者に伝えていたというもの。

 ただMLBは、同シーズンのワールドシリーズ期間中にレッドソックスのビデオリプレー・ルームをモニタリングしており、その際は不正行為が見つかっていなかったという。だがシーズン中のモニタリングは実施されていないということだ。

 またMLBは、2018年シーズン以前のレッドソックスがビデオリプレー・ルームを使った不正行為を行っていなかったとしている。

【更に疑惑が深まったある人物】

 実は、アストロズとレッドソックスのサイン盗みが行われたとされるシーズンと同時期に、それぞれのチームに所属していた人物がいる。2017年はアストロズでベンチコーチを務め、2018年からレッドソックスで監督を務めているアレックス・コーラ氏だ。

 コーラ氏といえば、アストロズのサイン盗みが報じられた時点で、疑惑が向けられていた人物だ。米メディアの間でアストロズの不正行為に関する続報が続く中、アストロズの不正行為はコーラ氏とカルロス・ベルトラン選手(当時)が中心に実施されていたと報じられているのだ。

 そのコーラ氏がレッドソックスの監督に就任したシーズンに、レッドソックスでもサイン盗み行為があったと報じられたことで、ますます彼の立場が危うくなったのは間違いないところだ。

 ちなみにベルトラン氏は、メッツ監督就任会見の際に疑惑について尋ねられ、不正行為があったことを否定しているが、コーラ氏は現在までこの件に関して沈黙を続けている。

【レッドソックスは見解を発表】

 レッドソックスの番記者の1人、クリス・コティーヨ記者はツイートを投稿し、今回の報道に関するチームの見解を紹介している。

 その内容は以下の通りだ。

 “我々は、我々のビデオリプレー・ルームが不適切に使用されたと疑義を向けられた報道があることを認識している。我々はこの報道を深刻に捉えており、この件に関する調査についてMLBに全面的に協力していく”

 果たしてコーラ氏はアストロズ、レッドソックスでサイン盗みを主導していたのか。いずれにせよ、今後のMLBの調査に注目が集まるところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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