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ウクライナ軍「FPV神風ドローン」で塹壕のロシア兵18人に突っ込んで爆発

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生品ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

ウクライナ軍では攻撃している様子の動画や写真、破壊したロシア軍の戦車の残骸の写真や動画などをSNSで公開して世界中にアピールしている。2023年1月にはウクライナ軍の軍事ドローンが塹壕の中に潜んでいるロシア兵18人を標的にして突っ込んでいき爆発するシーンをFPV(ファースト・パーソン・ビュー)で撮影していた。いわゆる「神風ドローン」だ。塹壕の中にはロシア兵が18人もいたようだが上空からの神風ドローンに気づいて迎撃する様子もなく攻撃され爆発している。

FPVはドローンに搭載されたカメラの視点から見えている風景が操縦者に見える。標的に突っ込んでいき爆発するので最後はドローンも粉々に破壊されるので、映像も爆発の直前で停止している。アゼルバイジャンのメディアKanal13が報じていた。別のドローンが突っ込んでいき爆発するシーンを捉えている映像もある。

ウクライナ軍では小型民生品ドローンに爆弾や手りゅう弾を搭載して、塹壕にいるロシア兵に頻繁に投下して爆発させたりしている。手りゅう弾では小さいので投下しても殺傷力に限界があるが、爆弾を搭載して突っ込んでいき爆発したらかなりの威力があり殺傷力も強い。

神風ドローンは戦車や軍事施設などへの攻撃には多く用いられており、そのような動画も頻繁に公開されている。ロシア軍が使用しているイラン製の「シャハド136(Shahed136)」、「シャハド131(Shahed131)」は戦場での攻撃用に開発された神風ドローンであり、ウクライナ軍の戦車や軍事施設を標的に攻撃を行っていることが多い。

だが、このように塹壕の中にいるロシア兵を標的にして神風ドローンで突っ込んでいき爆発させる動画はほとんど公開されていなかった。だが最近になってロシア兵を標的にして神風ドローンが突っ込んでいき爆発するシーンも多く公開されている。

▼【刺激的な映像のため閲覧注意】

ウクライナ軍の神風ドローンが塹壕の中にいるロシア兵18人を爆発する攻撃シーン(アゼルバイジャンのメディアKanal13)

ウクライナ軍のロシア兵への奇襲を報じているアゼルバイジャンのメディアKanal13の英語タイトルは「"18 insects, they’ll all disappear now” - Russians gathered in trench TARGETED by kamikaze drones(18匹の虫は全員消えた:神風ドローンの標的にされた塹壕に集まっていたロシア兵)」である。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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