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小学生の平均おこづかい額は月額430.3円

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
小学生の平均おこづかい額は?(写真:イメージマート)

大人同様に小学生にも欲しいものはたくさんあるが、そのすべてが手に入るわけではない。毎月保護者からもらうおこづかいをやりくりして、本当に欲しいものを買うことになる。小学生は毎月のおこづかいとしてどれぐらいの金額をもらい、何に使っているのだろうか。今回は学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から、その実情を確認する。

次に示すのは小学生が自由に使える毎月のおこづかいの金額。お年玉などのイレギュラー的なものは含まれていない。

↑ 自由に使える毎月のおこづかいの金額(小学生、円)(2022年)
↑ 自由に使える毎月のおこづかいの金額(小学生、円)(2022年)

小学生全体の平均金額は430.3円。男女別ではわずかに女子の方が高いがほとんど変わらず。学年別では一部イレギュラーが生じているものの、おおよそ学年が上になるに連れておこづかいの金額も高くなっていく。小学6年生では719.6円。小学4年生になると大きく額が跳ねるが、「高学年になったのだからおこづかいの使い道も増えるだろうし、友達との付き合いも増えるから、少しまとめておこづかいの金額も上げましょうか」といった保護者からの配慮があるのかもしれない。

それでは小学生はもらったおこづかいをどのように使っているのだろうか。もっとも多い使い道は「お菓子などの食べ物」で47.4%だった。

↑ 毎月もらっているおこづかいの主な使い道(小学生、複数回答、属性別)(2022年)
↑ 毎月もらっているおこづかいの主な使い道(小学生、複数回答、属性別)(2022年)

ついで「貯金」が続くが、どのような形で貯金するかはともかく、小学生の時点でお年玉などの臨時収入ではなく毎月のおこづかいからも貯金をしている人が多数におよんでいるのに驚く人もいるだろう(単に大きな金額のものを買うために貯金箱に入れて貯めるタイプの貯金かもしれないが)。

さらに「おもちゃ」「文房具」「キャラクターグッズ」などが続き、「ゲーム機・ゲームソフト」「オンラインゲーム・ゲームアプリ」がその後に続く。ゲーム機やゲームソフトなどは一か月分のおこづかいでは買えるとは思えず、「貯金」との合わせ技での購入となるのだろう。

男女別に見ると、男子・女子それぞれの遊びや趣味の方向性が強くにじみ出ていて興味深い。「文房具」は圧倒的に女子の方が高い値を示しているが、ファッション的な感覚で購入している面もあるのだろう。「アクセサリー」も似たような傾向なのがそれを連想させる。

逆に「ゲーム機・ゲームソフト」「オンラインゲーム・ゲームアプリ」は男子の方が高い値だが、元々女子は男子と比べると、ゲーム機を使ったゲームやオンラインゲームでは遊ばない傾向がある。遊ばなければおこづかいを使うこともない。一方で「キャラクターグッズ」「アクセサリー」「洋服などの衣類」は女子の値が圧倒的に高く、興味の方向性が男子と違う向きにあることがうかがえる。

なお公開値ではまとめて「その他」とあるものの自由記述では、「本」「単行本」「漫画」がもっとも件数が多かったとの説明が報告書にある。見方を変えれば、小学生は自分のおこづかいでは本や漫画などを買う機会はあまりないのだろう。

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※小学生の日常生活・学習に関する調査

直近の2022年分は2022年9月2日から6日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として保護者付き添いの下で小学生本人が回答するように答えてもらったもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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