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東海地方もようやく梅雨入り 今年の梅雨の傾向は

伊藤麻衣気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
梅雨入りした6月21日の静岡市の様子(筆者撮影)

東海地方は、平年より2週間ほど遅い6月21日にようやく梅雨入りとなりました。太平洋高気圧の少し北側に梅雨前線はできますが、太平洋高気圧の勢力が弱く、前線が南に停滞してしまい、梅雨入りが遅れました。

2024年の梅雨の傾向は

➀期間

梅雨入りは遅れましたが、梅雨明けが大きく遅れることはなさそうです。7月の上空の太平洋高気圧の勢力を見てみると、赤く色を付けたところが太平洋高気圧の勢力ですが、北への張り出しが平年よりも少し強いです。東海地方の平年の梅雨明けは7月19日ごろですが、ここから大きく遅れるということはなく、梅雨の期間は短くなりそうです。

②雨量

期間は短いですが、その短い期間でたくさんの雨が降りそうです。7月の地上気圧配置を見てみると、東の高気圧の張り出しが西日本や東日本・その南海上で強いと予想されています。このふちを回り矢印のように南西から湿った空気が入りやすい状況です。6月はもっと西への張り出しが強いので西回りで湿った空気が入り、九州や日本海側を中心に雨量が多くなりそうですが、7月は東海地方でも雨量が平年よりも多くなる可能性があります。

7月の上空の太平洋高気圧の勢力と地上気圧配置の予想(提供:ウェザーマップ・筆者加筆)
7月の上空の太平洋高気圧の勢力と地上気圧配置の予想(提供:ウェザーマップ・筆者加筆)

梅雨入り早々大雨か

東海地方は6月23日から24日は雨となります。梅雨入り早々大雨になりそうです。

6月23日は前線上の低気圧が日本海に進みそうです。日本海の低気圧に向かって南風が強めに吹きますが、この風に乗って非常に湿った空気が入ります。23日の午前中は南西からの湿った空気がぶつかる山沿いを中心に土砂降りになりそうです。

また、朝鮮半島の南の前線上に小さい低気圧ができる可能性があります。ここにも南の湿った空気が集中して入り、雨雲が発達しそうです。これが通過する23日から24日に日付が変わるかるころにも雨脚が強まりそうです。平地も土砂降りの可能性があります。

6月23日午前9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)
6月23日午前9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)

6月23日から24日朝にかけての雨の予想(提供:ウェザーマップ)
6月23日から24日朝にかけての雨の予想(提供:ウェザーマップ)

合計で200ミリを超える大雨になるところもあり、警報級の雨になる可能性があります。ここ数日の雨で土の中にはたくさんの水分が残っています。土砂災害に注意・警戒をしてください。6月22日は比較的穏やかな天気です。外回りの点検をし、排水溝や雨どいが詰まっている場合は掃除をしておくとよさそうです。

6月24日夜までの48時間予想降水量(提供:ウェザーマップ)
6月24日夜までの48時間予想降水量(提供:ウェザーマップ)

土の中の水分の量(提供:ウェザーマップ)
土の中の水分の量(提供:ウェザーマップ)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

静岡県御前崎市出身。2011年に気象予報士資格を取得。2014年にNHK広島放送局で気象キャスターをはじめ、2017年からは地元のNHK静岡で気象キャスターを務める。たっぷり静岡(平日・午後6時10分~)に出演。地域に根ざした天気や、天気というフィルターを通すと気づく静岡の魅力をお伝えします。

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