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豚骨とは思えない透き通るあっさりとした味わい。その繊細な白湯スープは70年の歴史が語る技ありの一杯。

ラーログ/福岡グルメレポートインスタグラマー/グルメライター

福岡県春日市の名店

地元に愛される名店とはこのことだろう。西鉄天神大牟田線の春日原駅から徒歩数分。テルミナという雑居ビルの1階に佇む「天広軒」。創業昭和27年という老舗中の老舗は、春日市のソウルフードとも呼ばれ、地元で絶大な人気を誇り愛され続けるお店。70年以上という歴史を歩むお店は、現在3代目に受継がれている。

昔ながらの雰囲気を醸し出すお店は、カウンターにテーブルに小上がりの座敷。横長の空間を有効活用したスペースは、日々多くのお客さんで賑わう。

常連さんも多く訪れるようで、地元に愛されている感がひしひしと伝わる。テーブル席でビールを片手に餃子をいただく、その風景からも地域密着型のお店であることがよくわかります。

ワンタンメン(きくらげトッピング)

基本は豚骨ラーメン1本。そこに様々なトッピングメニューが揃います。チャーシュー・支那竹・わかめ・たかな・にんにく、などなど。迷ってしまう数々ですが、その中で、ワンタンメンにきくらげをチョイス。丼にはネギときくらげとワンタンが鮮やかに盛り付けられている絶品な一杯。

ラードは一切使用せず白湯仕上げのスープ。「豚骨なのに、こんなにあっさりしてるの」、と思う味わいが、驚きながらの美味しさに惹きこまれていきます。脂感や臭みなど全く感じず、透き通るような味わいは、不思議と何重にも感じるコク深さがあります。

細めのストレート麵は、パスッと歯切れ良い。小麦感があり低加水の仕上がりで、スッキリとした豚骨スープに相性バッチリ。濃くもない薄くもない、絶妙な深みあるさっぱり感のスープに、麺の味わいもよく絡みます。

小ぶりのワンタンですが、皮がモチっとして、餡もジューシーで美味しい。熱々で冷めないスープに浸されて、さらにワンタンの味も旨味を増します。また、ピリッと辛いオリジナルなきくらげが、スープによき刺激を加えます。

脂控えめの歯応えのあるチャーシュー。良き塩味のタレが染みて美味しい。全てがあっさりしているのにコク深さと奥深さがあるのは、じっくりと弱火で炊き続ける熟練の白湯の味わい。70年の歴史を物語る技ありの一杯ですね。

卓上にはシンプルに、ゴマ・コショウ・紅ショウガ。個人的に思うのは、まずはラーメンそのものを味わってから、そこから味変してほしい。最初から調味料を混ぜると本来の味は間違いなく失われます。

春日原テルミナという雑居ビルの谷間の通路。なんともノスタルジーな佇まい。もともとは近くの商店街にあり、取り壊しと共に店をたたんだ歴史もある。そこから復活して40年余、その歴史はこの場所で今でも続いている。

豚骨なのに、驚くほど透き通るようなあっさりとした味わい。豚骨ラーメンの発祥は白湯スープともいわれる。弱火で炊き上げる白湯の火力を間違えたことから、泡立つ濃厚豚骨が生まれたともいわれ、最近では濃厚な豚骨も人気ではあるが、こんなスッキリとした豚骨こそが、元祖の味わいなのかもしれない。

ラーメン 天広軒

住所:福岡県春日市春日原北町3丁目58−1
営業時間:月~土 11時30分~15時00分
         18時00分~22時00分
     日・祝 11時30分~15時00分
定休日:火曜日
アクセス:春日原駅より徒歩2分
駐車場:近隣有料

インスタグラマー/グルメライター

福岡のラーメンインスタグラマー&グルメブロガー/KBCテレビ「高校生のじかん」出演中/一日一麺をモットーに年間400杯以上のラーメンを食すラーメンマニア/日々孤独に麺活を続ける〈博多のススリスト〉/【 name:Hiroyuki Kikai】/ 福岡の美味しいラーメンを全国に広めたいという思いと、あなたの行きたいお店を見つけるお手伝い。ラーメン以外も、食の宝庫と呼ばれる福岡グルメもご紹介。美味しいメニューをお届けします。ぜひあなたのお店選びのご参考に。instagramもラーログで検索してみてね!

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