ほとんどの親が経験する!寝かしつけ10の間違い【乳幼児睡眠の専門家解説】
寝かしつけ、子どもをただ「寝かせる」だけなのに、育児の中での大きな苦労ポイントですよね。
特に新米ママ・パパは経験がないので大変です。私自身、3年ほど前は何にもわからず毎日夜が来るのが怖くて涙を流した新米ママでした。
この記事では『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』著者の乳幼児睡眠コンサルタントねんねママが、やってしまいがちな寝かしつけの間違いポイントを解説していきます。
1)赤ちゃんに必要以上に手をかける
初めての育児にドキドキしているママとパパは、赤ちゃんに一番抵抗されない道を選びたくなります。抱っこをしてゆらゆらしたり、ミルクをあげたり、バランスボールで跳ねてみたりして、できるだけ抵抗されずに寝ついてもらおうとします。
これが結果的に赤ちゃんに「寝る=その行為が必要」と覚えさせることにつながります。すると、赤ちゃんは1人で眠りにつけない子になっていってしまうのです。
もちろん、抱っこがいけない!ということではありません。
月齢的に自分で寝つくことが難しいこともありますし、放っておいたらずっと泣き続けてしまう子もいます。それに耐えられず泣いている我が子からストレスを感じてしまうママやパパもいます。
だから抱っこしてもいいんです!ただ、「自分で眠ることを練習する時間」は与えてあげましょう。
夜の寝かしつけの時だけでも良いので、まずはベビーベッド(布団)において、泣いても少し見守り、泣き続けるようであれば抱っこをして、落ち着いたらまた下ろして…というのを2〜3回繰り返す時間を作りましょう。
2)図書館のように部屋を静かにする
これは特に新生児〜生後4ヶ月くらいの赤ちゃんに言えることなのですが、このくらいの月齢の赤ちゃんは静寂を怖がります。お腹の中では赤ちゃんたちはたくさんの音に囲まれて過ごしていたからです。
何にも刺激がないことは、赤ちゃんにとって不安であり、恐怖なのです。
ではどうすればいいの?テレビをつければいいの?というとそれは違います。
テレビや音楽の音色は寝つきを邪魔してしまう可能性があるので消しましょう。その代わりにホワイトノイズと呼ばれる音をかけておくのがおすすめです。
3)目覚めるのは「お腹がすいた!」だと思い込む
赤ちゃんが夜中に泣いて目を覚ますと「あ、お腹が空いたのかな?」と思うママやパパが多いのですが、(正しい時ももちろんありますが)そうでないときも結構多いのです。
よくみなさんおっしゃるのが「飲ませるとゴクゴク飲むのでお腹は空いていると思うんですけど…」という言葉。しかし、ゴクゴク飲むことと、実際に空腹かどうかはイコールではありません。
なぜなら、そのゴクゴクは眠るためのゴクゴクだからです。
授乳での寝かしつけが癖になっていると、「眠るためには飲まないといけない」と覚えてしまっており、吸いながらでないと眠れなくなってしまうのです。
そして、夜中にふと目が覚めた時に「眠いー!寝つけないー!おっぱい飲まなきゃー!」となり、お腹がすいていようといなかろうと、おっぱいを飲むという行為が必要になるのです。
もちろんお腹が空いている時もあります!
特に生後6ヶ月未満の子は、ほとんど夜間授乳が必要なので、お腹が空いて飲んでいる可能性もあります。しかし、例えば1時間おきに起きてしまったり、生後8〜9ヶ月以上で夜中3〜4回起きておっぱいを飲んだり…という場合は癖の可能性が高いです。
4)赤ちゃんが眠ってから、ベッドに寝かせる
赤ちゃんを寝かせる時、どうやって寝かせていますか?
「ねんねの時間だね〜抱っこしようね〜」とゆ〜らゆらして、「やっと寝た〜」と思ってからそーーっとベッドやお布団に下ろしていませんか?
これを繰り返していると赤ちゃんは「私の眠る場所は抱っこ」と覚えるようになってしまうのです。
抱っこで寝つくことは夜泣きの要因になります。
ママやパパに抱かれていることが最後の記憶として残っている赤ちゃんは、夜中にふと目が覚めた時に「なんで!なんで抱っこされてないの?!」とパニックになるのです。そして「また抱っこして〜〜眠いよ〜〜寝かしつけて〜〜」と泣くようになります。
寝かしつけをするときは、まずベビーベッドや布団に置いて、「ここがあなたの寝る場所」だということを教えましょう。泣いたら抱っこしても構いません。ですが、ウトウトし始めたらまた下ろす、ということが大切です。
5)寝かせる時間が遅すぎる
疲れ切っていると「寝る」という赤ちゃんにとって大変な仕事を受け入れづらい状態になります。疲れすぎると脳も興奮してきて、どんどん眠りづらい状態に入っていきます。だからこそ、疲れすぎる前に寝かせることが大切なのです。
寝かしつけのベストタイミングは、目をこすったり、自分の指を吸い始めたり、ちょっと集中力が無くなってきたり…という眠いサインが出た時です。しかしこのサインを見分けることも難しいので、月齢ごとの寝かしつけのタイミング(下記記事参照)も参考にしてみてください。
6)新米ママとパパの不安感に惑わされる
新米ママとパパになることは、ワクワクすると同時にとても不安なことですよね。
その不安から「まずはとにかく泣かせないように…」と考えがち。すると、反対に「泣かせること=悪いこと」という思考に陥りがちです。
赤ちゃんが泣いてるのは悪いことではありません。明らかに原因があるなら(例えばうんちをしている等)対処が必要ですが、色々考えたけれど原因がわからなければ、それはママやパパのせいではなく、泣きたいだけかもしれません。
睡眠においては、多少泣いていても寝つく練習をさせてあげることは大切なことです。
不安感に惑わされることなく、まず寝床に置いて、自分で寝つく力を獲得させてあげるために働きかけてみましょう。
7)睡眠サイクルへの誤解
大人も子どもも波のように、寝始めてから深い睡眠に入り、また浅い睡眠になり…と繰り返していて、これを睡眠サイクルと呼びます。
このサイクルの切れ目では浅い覚醒が起こります。
自分で寝つくことができない赤ちゃんは、ここで「寝かせてー!!」と泣き叫ぶことになるのです。
もし、いまママやパパが「抱っこでも寝てくれればいいんだ!でも夜泣きは困ったなー!」と思っている場合、この誤解をしているかもしれませんね。
8)おしゃぶり依存を促す
おしゃぶりは良し悪しです。おしゃぶりをしてスムーズに寝てくれるなら、おしゃぶりは強力な味方です。
一方で、夜中に口から外れてしまう度に「なくなったー!口に戻してー!」と泣くようなら、それはママやパパを苦しめてしまいます。外れるたびに口に戻してあげていると、おしゃぶりにどんどん依存していってしまうのです。
おしゃぶりの使い方としておすすめなのは、最初に寝つくときだけは使って、その後は口に戻さないことです。夜中はおしゃぶり以外で寝る方法を練習すると良いと思います。
9)避けられないことを先延ばしにする
ねんねトレーニングや寝室の環境改善など、「まぁいつかやろう…でも今じゃないな…」と思いながら先延ばしにしてしまうこと、ありますよね(私がそうでした)。
先延ばしにすればするほど、赤ちゃんの寝つきの癖が強くなるので、先延ばしにせず対応しておくことは重要です。
我が家では寝室にぴったりに発注したキングサイズベッドを処分する…というのはなかなか勇気のいることでしたが、思い切って処分して寝室環境を改善したことによって、私自身の睡眠の質は格段に改善しました。
10)自分が眠ることに罪悪感がある
なんとなく「睡眠時間を削って頑張っている=えらい!」というような風習がありますが、寝られるならぜひ寝てください!!!
ストレスなく、注意散漫にならず育児するためには、ママにもパパにも睡眠が必要です。ママやパパが眠ることが、結果、赤ちゃんのためにもなります。
だから、「パパを寝かせてあげるために、赤ちゃんが泣いたら寝室から出なきゃ!」という自己犠牲の精神ではなく、「自分も寝なくちゃいけない」という意思を大事にしてください。
パパは、ママに寝る時間をあげてください。休日はぜひママに睡眠時間を。
参考)キャサリントビン『赤ちゃんとママのための朝までぐっすり睡眠プラン』