中高生のネットコミュニケーション、何が使われているのか
パソコン、そしてスマートフォンの普及に伴い、子供達の間でもインターネットによるコミュニケーションがごく普通に行われるようになった。彼ら・彼女らはどのようなツールでそれを行っているのだろうか。2014年12月にベネッセ教育総合研究所が発表した調査報告書「中高生のICT利用実態調査 2014」から、中高生の実情を確認していく。
今調査対象母集団では中学生が87.3%、高校生は96.6%がインターネットを利用している。またインターネットをする時間の6割から7割は、メールやチャット、ソーシャルメディア、ツイッターのような、意志疎通・交流サービスに費やされている。時間にすると平日で中学生は1時間12分、高校生は1時間26分ほどとなる。
それでは友達とコミュニケーションをする際に、どのようなサービスが使われているのだろうか。「普段」使っているものについて答えてもらった結果が次のグラフ。アカウントを所有しているがほとんど放置しているもの、たまにしか使わないものは回答に含まれていない。つまり常用しているもの。
列挙されたサービスの中では、すべての学年でLINEが一番使われている。「友達」相手の設定で尋ねているのも原因だが、身近なコミュニティ内でのやりとりで、LINEがいかに多用されているかが分かる。特に高校生では9割前後がLINEを友達とのやりとりに常用していることになる(全高校生比では高1で90.9%×96.6%=88%)。
次いで多いのはメール。学年が上がるごとに利用率が上昇する。保護者から利用許可を受けられる度合いが高まることに加え、柔軟性も高いのが要因だろう。一方ツイッターは高校生になるとグンと利用率が跳ね上がる。詳細は省くが特に女子の利用率が高く、それが全体値を引き上げているのがポイント。
これらは複数回答のため、たとえばLINEをメインにツイッターも使う、といった利用スタイルが考えられる。そこで常用している交流用サービスの組合せを聞いたところ、中学生ではメールとLINE、高校生ではそこにツイッターが加わったパターンが一番多い結果が出た。
中学生は保護者からインターネットを使ったコミュニケーションツールの利用を止められている場合も多々あり、該当なしの回答がもっとも多い。次いでメールとLINEの組合せ、さらにLINEのみが続く。他方高校生になるとメールとLINEだけでなくツイッターとの組み合わせが最上位となる。中学時代にメールとLINEを使い、高校生になってツイッターも加わった形だろう。もっともメールとLINEの組合せもほぼ同率で、こちらも中学生からのパターンが継続しているものと考えられる。
中高生のLINEの利用ぶりを見て、彼ら・彼女らはLINEのみで友達とやり取りをしているように思える場面もある。しかし今調査の限りでは、そのような事例はむしろ少数派で、複数のサービスを用い、交流を果たしているのが分かる。
目まぐるしく状況が変化する中高生のネット事情だが、その現状を見ていく際には留意したい話に違いない。
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