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ピットブルが窓を開け暴走 車内での愛犬の危険行動を防ぐには?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イメージ写真(写真:イメージマート)

6月8日、栃木県栃木市で走行中の車の窓からアメリカンピットブルテリア2匹が暴走したとTBS NEWS DIGが報道しています。

記事によりますと、2匹はいま(9日現在)も逃走中で、警察が見回りなどを強化しています。当時、車は走行中でパワーウィンドウのボタンにアメリカンピットブルテリアが乗り、窓が開きそこから5歳のオス、2歳のメスが逃走したようです。

この記事を読むと、2匹のアメリカンピットブルテリアは、車内を自由に動いていたようです。今日は、愛犬の車の乗せ方について考えていきましょう。

愛犬の危険な乗せ方とは?

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イメージ写真写真:アフロ

意外と知らないで愛犬を車に乗せていると危険なこともありますし、道路交通法違反になることもあります。

運転中に犬を車内で自由にさせる

犬が車内で自由にしていると、道路交通法第55条第2項に抵触する可能性があります。

犬の動きでハンドル操作が妨げられたり、バックミラーの視界が遮られたり、小型犬ならブレーキの下に入ったりするからです。

今回のアメリカンピットブルテリアのように偶然にパワーウィンドウのボタンに乗って窓が開き暴走する可能性もあります。

膝の上に乗せている

犬を直接、膝の上に乗せるのも危険です。どんなに注意深く運転したとしても、犬の動きで運転者の視野やハンドル操作の妨げになる可能性があります。

助手席に乗せる

助手席に人が乗っていないし、犬がさみしがるなどの理由から助手席に乗せるのは危険です。助手席に座っている人の膝に犬を乗せたりすることもよくないです。

助手席でも愛犬が興奮すれば、運転に支障をきたす可能性があります。

犬が窓から顔を出す

走行している車の窓から犬が顔を出しているという光景を、目にされたことがあるのではないでしょうか。

風通しがよくないと犬が酔うからと窓を開けて走行する方も多いと思います。

しかし、犬が窓から顔を出すと危険で、道路交通法違反になる可能性もあります。犬が車酔いする場合は、動物病院に行けば酔い止めを処方してくれます。

愛犬の安全な乗せ方

ペットシートに乗る犬のイメージ写真
ペットシートに乗る犬のイメージ写真写真:イメージマート

犬を車内で自由にさせないで、安全に乗せましょう。

■クレート※に入れる

安全対策としてもっとも一般的なのがクレートを使う方法です。

クレートとは、超小型〜大型犬用までサイズ展開が豊富にあります。愛犬とドライブを楽しむ人も増えていますので、シートベルトに固定できるタイプも販売されています。

ハードタイプのものなら、事故に遭っても愛犬だけ投げ出されることは少なくなります。

※クレートは犬や猫などの動物を一時的に収容するための箱状のものです。

■ペットシート、ペット用シートベルトを活用

座席に固定することができるペットシートがあります。

ペット用シートベルトがメッシュ素材になっていて、安全を確保しながら愛犬の様子を確認できるものなど様々です。

走行中の注意点

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イメージ写真写真:アフロ

安全性の観点から以下2つにも注意してみてください。

■ドアロック・ウィンドウロックの徹底

今回のように、犬の足がウィンドウボタンに触れ、窓が開いて外に飛び出してしまう可能性がありますのでウィンドウもロックしましょう。そして、ドアにチャイルドロックをかけておくのもおすすめです。

■車内温度と日当たりへの配慮

後部座席と運転席とでは、温度や換気性が違います。クレートの中は熱がこもりやすいので、エアコンの設定温度や空気の通り道に注意してみてください。

犬は人のように汗をかけないので、熱中症になりやすい動物です。

まとめ

写真:イメージマート

愛犬を間違った方法で車に乗せてしまうと、道路交通法違反を犯してしまう可能性があります。過去には警察官が「運転席側から顔を出した犬」などを確認し、飼い主を逮捕するという事例がありました。

愛犬と一緒にドライブを楽しみつつ、愛犬の命を守るためにも正しい方法で愛犬を車に乗せましょう。今回のような犬が逃げだすことがないように、注意をしたいものです。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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