「新型肺炎」への日韓両国の対応を比較してみた!
中国・湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスへの対応にはどの国も苦慮し、対応策に追われているが、日本も韓国もその例外ではない。そこで現状での良くも悪くも日韓両国の対応を比較してみた。
▲日韓の感染者の数
中国の武漢から発症した新型コロナウイルスによる感染者は日本が8人(30日午前10時現在)。韓国は半分の4人。
▲最初の感染者
日本で最初の感染者が確認されたのが1月16日。韓国では4日後の1月20日。どちらも武漢からの帰国者であった。
日本の患者は30代の男性で、6日に帰国し、9日に39度の高熱が出たため10日から入院していた。韓国人の患者は40代の女性で、19日に武漢から帰国した際に仁川空港の入国エリアで高熱などの症状を訴えたことで確認が早かった。
▲二次感染
日本では武漢からのツアー客を載せたバス運転手(1月28日)とガイド(1月29日)の二人の感染が確認されているが、韓国は30日(午前10時)現在、二次感染者は確認されていない。
最初の患者と2人目の患者は空港で入国の際に症状が確認され、直ぐに隔離されたが、3人目は入国後2日経って、症状が現れたにもかかわらず3日間レストラン・病院・ホテルなどを回っていたことや、4人目も20日に帰国し、27日に感染が確認されるまでの間、約70人と接触していたことからこれから第二次感染者が発生する可能性が高い。
▲武漢在住数
武漢市(人口1千100万人)在住の日本人は日系企業に派遣されている駐在員やその家族も含め約500人。韓国も総領事館の発表では駐在員や留学生など500人が帰国の対象とされているが、永住権者を含めるとその数は700人以上になるとみられている。
▲武漢からの「緊急脱出」
日本は29日に第一陣として206人、今日(30日)も第二陣として210人、合わせて416人をチャーター機ですでに日本に無事帰国させている。
韓国も今日の午後3時と5時にチャーター機を2便、明日31日も2便を武漢空港に向かわせ、僑民を連れて来る予定だったが、中国側の事情で運航日程がキャンセルされ、まだ一人も帰国させられないでいる。予定では今夜1機だけ出発し、第一陣を帰国させる。
▲武漢からの帰国者への対応
日本は第一陣(206人)の多くが本人らの希望でホテルに直行したが、問題がなく、本人が希望すれば帰宅も可能なため2人が自宅での待機。
本日帰国した第二陣(210人)はホテルに加えて東京・府中市の警察大学校や東京・北区にある財務省の研修施設などを滞在先に充てられるとのこと。
韓国は帰国後、全員が政府が用意した臨時の生活保護施設で14日程度無条件隔離される。
▲帰国者の「保護施設」
日本は安全が確認されるまで第一陣は千葉・勝浦のホテルで待機する。部屋数に制限があって2人1室。ホテルの費用は自己負担ではなく、国が負担する。
一方、韓国はホテルではなく、政府機関を施設として利用する。1人1室という防疫の原則により、施設を2か所設けている。1か所は忠清北道鎮川郡にある国家公務員人材開発院、もう1か所も忠清南道牙山にある公務員の研究施設。しかし、鎮川郡の国家公務員人材開発院では一部近隣住民による反対デモが起きている。
▲チャーター機の費用
日本はチャーター便の搭乗費用として一人8万円を徴収するが、韓国は在外国民保護に向けたチャーター機派遣予算(10億ウォン)を拠出。その後、搭乗者から1人当たり成人30万ウォン(約2万8000円)、満2~11歳の子供は22万5000ウォン(約2万1000円)、満2歳未満の乳児は3万ウォン(約2800円)を2月28日までに支払わせ、費用の一部に充てる予定。
▲隔離拒否者に対する罰則
日本は人権問題もあって本人の同意なくして強制的には隔離できないが、韓国は強制できる。隔離を拒否した場合は、逮捕も可能。
韓国の警察は「感染病関連警察現場対応」というマニュアルに従い、対象者が隔離に応じない場合は「感染病予防及び管理に関する法」に従い、300万ウォン以下の罰金を科すこともできる。