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WBCバンタム級チャンピオン中谷潤人のLAキャンプがスタート #専門家のまとめ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
撮影:筆者

WBCバンタム級チャンピオンの中谷潤人が現地時間の昨日、LAXエアポートに到着した。今日から、師であるルディ・エルナンデス、そして岡辺大介トレーナーの指導の下、恒例のLAキャンプが始まる。15歳にして単身で乗り込んだ本場。「世界チャンピオンになる」という夢に向かって迷うことなく突き進んだ少年は、3階級制覇を成し遂げた。が、まだまだ満足せず「道半ば」と繰り返す。

ココがポイント

今年をチャレンジの年と位置づけ、2月の防衛戦後に統一戦や転級をもくろむ。新愛称「ビッグバン」として25年に挑む。
出典:スポニチアネックス 2025/1/8(水)

米国で最も権威のある専門誌「ザ・リング」が中谷を2024年の年間最優秀選手賞候補にノミネートしたことを発表した。
出典:スポーツ報知 2025/1/7(火)

「国内だけでなく世界の人に認めていただく必要があるし、そうなれば試合もより大きなものになる。」と中谷は語った。
出典:中日スポーツ 2025/1/7(火)

エキスパートの補足・見解

 中谷は今日から1ヵ月間、彼の原点と呼べる米国LAでキャンプを張る。通常、月、水、金、土に様々なタイプとのスパーリングをこなす。前回の試合前は、トータルで236ラウンドに及んだ。この数字は日本人世界チャンプたちの倍以上だ。

 昨年10月、LAキャンプ後の最終調整で、"仮想ペッチ・ソー・チットパッタナ"として5ラウンドのスパーリングパートナーを務めた現日本スーパーフライ級王者、高山涼深は脱帽しながら言う。

 「半端じゃない数ですね。でも、世界で戦うのなら、そのぐらいやらないとダメだなとも感じます。5ラウンドを通して手応えがなく、全部やられたなという感じでした。捌かれましたね。距離の取り方、重心移動、そして、力を入れる時と入れない時の強弱の付け方が抜群です。

 日本タイトルマッチよりも消耗してヘロヘロになりましたよ。これが世界なんだなと、肌で教わりました。まだまだ遠いですね。もの凄くいい経験をさせて頂きました」

 中谷はLAで、更なる高みに向かって自分を虐め抜く。また一つ、階段を上がるために。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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