台風4号から離れた地域も油断禁物 北日本も十分な警戒を
台風4号は九州北部へ上陸か
台風4号はきょう4日(月)午前9時現在、東シナ海を時速15キロのゆっくりとした速度で北北東へ進んでいます。中心気圧は996hPa、最大瞬間風速は25メートルとなっています。
台風4号の予報円はこれまでかなり大きく、いつどこへ向かうのか不確実性が大きかったのですが、最新の予報円ではかなり小さくなり、進路や速度の信頼度がかなり上がってきたと見られます。
予報円の真ん中を進むと、台風4号はあす5日(火)朝から昼前にかけて長崎県付近に接近し、上陸した後、西日本を東進し、あさって6日(水)午前9時には東海沖で温帯低気圧に変わる見通しです。(もう少し早めに温帯低気圧か熱帯低気圧に変わる可能性もありそうです。)
天気図上で台風4号は小さいが…
地上の天気図をみると、東シナ海にある台風4号はとても姿が小さく、一見すると、本州付近は南からの太平洋高気圧にスッポリ覆われているように見えますが、実際は台風4号から離れた本州付近のあちらこちらで雨雲が発達していて、北日本を含めて、どこで非常に激しい雨が降ってもおかしくない状態です。
これは台風は小さくても、台風周辺の暖湿流や上空の寒気が影響して、台風から離れた場所で大雨となることが多々あり、今回はまさにこのパターンで、天気図だけを見ていると、大きく油断しかねないパターンでもあると言えます。
暖湿気と上空寒気
上図は暖湿流と上空寒気の予想です。
台風4号周辺には350K以上の極めて暖かく湿った空気があり、その周辺を回る330Kから340K以上の暖湿気が東日本はもちろん北日本まで流れ込んでいることが分かります。
330K以上の暖湿気は、気象条件により非常に激しい雨や猛烈な雨をもたらしかねない暖かく湿った空気です。
さらに東日本から北日本の上空5500メートルには、-6度以下の寒気が流れ込んでおり、北日本には-9度以下の中心があります。一般に真夏に-6度以下の寒気が流れ込めば、雷雨となる可能性が高まり、-9度以下ならば、大雷雨になりかねない寒気です。
今回は下層で台風周辺の暖湿気が流れ込み、上層にはかなり強い寒気が流れ込む北日本で特に大気の状態が不安定となりやすく、急に積乱雲が湧きたつおそれがありますので、台風4号から離れているからといって、油断禁物です。
北日本も危険度大
上図はきょう4日(月)昼過ぎの発雷確率(雷の発生する確率)です。
関東から九州にはピンク色の30%以上の所がありますが、北日本には50%以上の赤色が広がっており、特に内陸にはさらに高い75%以上の茶色も見られる状態です。
このようにコンピュータの計算では、台風4号から最も遠く離れた北日本で大気の状態が一番不安定になると見られており、最も雷雲が発達しやすい環境となることを表しています。ただ関東以西でも雷雲に至らずとも猛烈な雨が降ることもあるため、もちろん油断ならずで、九州から北海道にかけての広い範囲で警戒が必要な状態です。
気象庁からは台風4号や湿った空気、上空寒気に伴う大雨情報が西日本から北日本にかけて、入り混じって出されている状態です。
台風4号が直接通過する予想の九州から近畿にかけての太平洋側では、総雨量が多い所で300ミリから500ミリ以上に達するおそれもありますし、台風4号が直接近づかない北日本でも雷を伴った激しい雨や落雷、竜巻などの激しい突風に十分な注意、警戒が必要です。(気象庁の発表情報)