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非日常の温泉に浸る!「一生に一度は入浴したい九州の秘湯」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

「秘湯」という言葉から、旅情を誘う魅惑の響きを感じないだろうか?

秘湯とは本来「ひっそり人知れず、秘境の地に湧出する温泉」のことを指すが、現代の情報社会では、マニアしか訪ねないような野湯を除けば、だいたいの温泉は世に知られている。また、交通網の発達によって、アクセスが難しい秘湯も山奥や離島の温泉に限られるようになった。そういう意味では、秘湯はぐっと身近になり、誰でも楽しめるようになったともえいえる。

それを踏まえて、筆者は現代における秘湯を広くとらえ、「非日常感を満喫できる温泉」と再定義している。

今回は、一生に一度は入浴してみたい秘湯を九州エリアに絞って5カ所紹介したい。

赤川温泉・赤川荘(大分県)

標高1100メートル、久住高原に湧く山の秘湯。青色をおびた乳白色が特徴の湯は、硫黄や炭酸ガスが豊富に含まれた濃厚な泉質。26~28度のぬるめの源泉をそのままかけ流した湯船と加温した湯船があるので、夏場は交互につかるのが気持ちいい。滝が見える露天は絶景温泉である。

壁湯温泉・旅館福元屋(大分県)

川沿いにある天然の洞窟風呂が名物。体感で38度ほどのぬるめの源泉が湯底の岩の間からぷくぷくと湧き出している。川のせせらぎも心地よく、ずっと入っていられるほどの気持ちよさだ。特に気温が高い夏場におすすめ。

満願寺温泉・川湯(熊本県)

南小国町にある川沿いの小さな温泉地。名物は川湯。川岸につくられた簡素な湯船は、まさに川の中に入浴している気分になる。混浴で目隠しも何もない開放的すぎる湯船だが、足元から湧出する極上の源泉が楽しめる。湯船の隣では、地元の人が温泉を利用して洗濯や野菜を洗ったりする光景が見られるなど、日本の原風景ともいえる温泉地だ。

屋久島・平内海中温泉(鹿児島県)

海好き、山好き両方に愛される屋久島は、南部に3つの温泉が集中している。満潮時には海の底に沈む「平内海中温泉」は、世にも珍しい海中温泉。干潮の前後2時間のみ磯場に湯船が現れ、入浴できる。まさに自然ありのままの秘湯だ。海を間近に感じられる絶景温泉でもある。

指宿温泉・砂むし会館 砂楽(鹿児島県)

指宿の名物といえば、砂蒸し風呂。地熱で温められた砂浜に横たわり、砂をかけてもらう。砂の中に10分も埋まっていると、どっと汗が噴き出すほどよく温まる。砂浜なので、目の前には大海原というロケーションも貴重だ。ここでしか体験できない珍しい入浴法を堪能できる。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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