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スマホでリモコン駐車も! 次世代メルセデスの先進技術

河口まなぶ自動車ジャーナリスト

メルセデス・ベンツは8日、本社があるドイツのシュツットガルト近くで、来春発表予定の次期Eクラスに搭載される先進技術を披露する「TecDay」を開催した。

来年1月のデトロイトショーで発表されるという噂の次期Eクラスは、メルセデス・ベンツの技術の粋を集めた1台で、このクラスの基準を新たに作り上げるだろう新装備を豊富に搭載している。

8日に公開された技術でまず目を引いたのは、スマホをクルマのキーにする技術。ドアノブにスマホをかざすと施錠・解錠が行えるほか、車内にはクレードルを用意し、ここに置くことでエンジン始動を可能とする。技術的にはNFC(近距離無線通信技術)を搭載した携帯電話と、セキュリティの高いシムを組み合わせることで実現している。

そしてユニークなのが「リモートオートパイロット」と呼ばれるリモコン駐車機能。既にクルマに搭載されているオートパーキングシステムをさらに発展させたもので、ドアの開け閉めがしづらい狭い駐車場等では、先にクルマから降りてスマホを使ってリモートで駐車することができる。最近は他社でもスマホをリモコンとして外からクルマを動かす技術が続々と公開されているが、メルセデス・ベンツもこれをいちはやく採用してきた。

詳しくは動画をチェックいただきたい。

さらにヘッドライトは84個ものLEDを使い、多彩な配光を実現。ハイビームながら対向車の部分だけをロービームとすることで、より安全な視界の確保も実現している。またナビやカメラの情報を使って、その場所に応じたライトの照らし方等も実現している。

現在メルセデス・ベンツは既に日本市場に投入しているSクラスやCクラスで、ハンドルを半自動で動かす技術を搭載しているが、次期Eクラスではこれをさらに進歩させた機能を搭載。例えばこれまでは道路の車線をカメラが見て、車両を車線と車線の中央に維持する機能があったが、次期Eクラスでは車線がなくとも路側帯の障害物やガードレール、停車車両や対向車両等を見極めて、130km/hまでハンドル操作をアシストする。

また歩行者や車両等に対する自動ブレーキも、70km/hの速度からでも作動するようになった他、交差点で側方から飛び出してくる車両に対する自動ブレーキも盛り込まれた。また高速道路等で渋滞している車列に対しての自動ブレーキも90km/hの速度からでも作動するようになった。

他に注目だったのは、側面衝突の際にシートの側方を瞬間的に膨らませることで、乗員とドアとの距離遠ざけると同時に、乗員を内側に動かすことで側方から衝突してくるクルマとの相対速度を下げて、サイドエアバッグを膨らます空間も多く確保などすることで、人体へのダメージを30%も低減する機構。この他に実際に衝突する際に、クルマ側から事前にノイズを出して人間の耳に刺激を与えることで、衝突時の音から来る耳のダメージを抑制する機構も備わる。

もちろんこの他にも、多数の先進装備が搭載されており、説明を聞いていると来春の登場時には間違いなくこのクラスをリードする1台になる、と思えた。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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