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【JMAEXPO】皇治倒れず!ブアカーオ対皇治は熱戦の末ドローに

藤村幸代フリーライター
ブアカーオの強打を受ける場面もあったが怯まず耐えた皇治(C)JMAEXPO

10月19日(土)、神奈川・横浜BUNTAI(旧・横浜文化体育館)で『能登半島地震チャリティ・イベント JAPAN MARTIAL ARTS EXPO PROLOGUE』が開催され、元K-1ワールドMAX王者のブアカーオ・バンチャメーク(42=タイ)と元ISKA世界ライト級王者でK-1やRIZINでも活躍した皇治(35=TEAM ONE)の一戦は熱戦の末ドローに終わった。

日本の格闘技文化を世界に発信する“格闘技版見本市”として初開催された今大会では、MMA、キックボクシング、ボクシング、グラップリングのQUINTET(クインテット)、場外転落失格や寝技秒数制限など独自ルールで戦う巌流島など多彩なジャンルの格闘技全10試合が行われた。

メインのブアカーオ×皇治戦を含め後半4試合はオクタゴンで行われた。(C)ふくだしげる
メインのブアカーオ×皇治戦を含め後半4試合はオクタゴンで行われた。(C)ふくだしげる

そのなかでメインイベントにラインナップされたこの一戦は、両者の“本業”であるキックボクシングやムエタイ、また皇治が挑戦中のMMAではなくボクシングルールを採用。70Kg契約3分3ラウンド、判定なしという特別ルールとなった。

ブアカーオはK-1ワールドMAX世界トーナメントを二度(2004、06)制した中量級名王者。23年には10年ぶりに日本のリングに上がり、RIZINで安保瑠輝也と対戦。ドローながら強烈な蹴りで変わらぬ“ムエタイの伝説”ぶりをアピールした。

今年3月には木村ミノルから膝蹴りでKO勝利をあげたが、9月のK-1では-70kg世界最強決定トーナメントでブルガリアのストーヤン・コプリヴレンスキーに判定で敗れ準々決勝敗退に終わっている。


対する皇治は強打にも倒れないタフネスと豊富なスタミナに加え、相手の感情をブレさせる毒舌ももはや武器の1つ。これまでK-1やRIZINのリングに上がり、武尊や那須川天心ら強豪との対戦を含め話題のカードを提供してきた。ボクシングルールでは22年、RIZINでメイウェザーのボディガード、ジジと対戦。右ストレートや左フックでダウンを奪い、レフェリーストップによるTKO勝ちを収めている。

試合を翌日に控えた18日の記者会見では、皇治が「蹴りのないブアカーオなんて芋けんぴ」と挑発。これがボクシングルール初試合となるブアカーオだが「蹴りがなくてもぶっ殺す」と珍しく荒い言葉を返す場面もあった。


試合終了まで打ち合いを演じた両者だが、判定決着なしの特別ルールによりドローに終わった(C)JMAEXPO
試合終了まで打ち合いを演じた両者だが、判定決着なしの特別ルールによりドローに終わった(C)JMAEXPO

オクタゴン(八角形の金網)で行われた試合は、1ラウンド早々から左ボディや左右連打を積極的に繰り出す皇治に対し、ブアカーオはガードを固め左を伸ばして距離を測りながら単発でアッパーを入れる。

2ラウンドに入っても、左ボディなど手数で稼ぐ皇治に3連打やワンツー、アッパーでブアカーオが反撃。ゴング直前には疲れの見えた皇治に強烈な右フックやボディで、皇治が思わず舌を出す場面も。

最終3ラウンドもブアカーオの右の打ち下ろしとボディが皇治を削っていく。上下の右の猛攻に皇治が金網を背負う場面もあったが、残り1分になると両者死力でパンチを出し合い場内が大いに沸く。終了ゴングまで両者倒れることなく、試合は特別ルールによりドローに終わった。


フリーライター

神奈川ニュース映画協会、サムライTV、映像制作会社でディレクターを務め、2002年よりフリーライターに。格闘技、スポーツ、フィットネス、生き方などを取材・執筆。【著書】『ママダス!闘う娘と語る母』(情報センター出版局)、【構成】『私は居場所を見つけたい~ファイティングウーマン ライカの挑戦~』(新潮社)『負けないで!』(創出版)『走れ!助産師ボクサー』(NTT出版)『Smile!田中理恵自伝』『光と影 誰も知らない本当の武尊』『下剋上トレーナー』(以上、ベースボール・マガジン社)『へやトレ』(主婦の友社)他。横須賀市出身、三浦市在住。

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