【札幌市中央区&東区】札幌の隠れた夕日スポットは、苗穂駅にあった。
苗穂駅に接続している自由通路が、窓から見える景色、特に夕焼けが最高というお話を聞いたので、行ってみました。
苗穂駅は、戦後の全盛期には20以上もの企業引き込み線(自衛隊、太平洋コンクリート、大日本印刷、雪印、福山醸造あるいは当時の札幌ビール、古谷製菓など)や、今も現役の車両工場、機関区なども含めて、大きなバックヤードエリアを持っていました。また函館本線と千歳線、さらには定山渓鉄道の分岐点でもありました。
(もしかしましたら、1973年までの千歳線のルートが、札幌ー苗穂ー東札幌(現在のコンベンションセンター)ー月寒(現在のアサヒビール工場の裏)ー大谷地(現在の南郷18丁目)ー上野幌ということ、あるいは1950年代までは苗穂ー東札幌ー豊平から定山渓鉄道という路線があったことを知らない方もいるかもしれません。)
ところが当時の駅の改札口はもっぱら中央区側にあり、東区側の苗穂の住民にはとても利用しづらい駅だったのです。
そこで2018年、苗穂駅の場所を数百メートル札幌駅側に移動し、橋上駅として線路を渡る形で自由通路が設置され、中央区と東区どちらからも利用しやすい駅へと変更しました。
今の駅があった場所は、かつて電気メーカーの敷地の横に、古い跨線橋のみがありました。これとほとんど同じ場所に、現在の自由通路があります。
この通路は現在、東区側にある大きなショッピングモールの近くまで延長されており、さらにマンションにリンクするなど徐々に延長してきています。その自由通路が、鉄道や線路好きな方には癒しの光景になっているのです。
西側は札幌駅方面。東北東に線路が伸びており、夕日が反射し、線路と電車用の送電線などが渾然一体となってきらめく姿にはうっとりします。時期によって夕日の場所も少しずつ変わりますので、それも見どころです。
一方東側には、苗穂工場の一部が見えます。工場の奥の方と、運転所の全貌などはここからはほとんど見えませんが、沢山の線路が分岐していたり、古い車両がくつろいでいたり、北海道遺産にも指定された北海道鉄道技術館も少しだけ見えたりするなど、興味はつきません。
また、苗穂駅改札内のスペースからも素敵な光景が見えます。おすすめは雪の積もった真冬。写真に駅構内、ガラス、白い雪が反射しあって幻想的な雰囲気です。
自由通路内は、歩行のためのものですので、写真撮影などで歩行者に邪魔にならないように、さっと写真を数枚撮るだけにするか、記憶にとどめておくのが良い楽しみ方かな、と思います。
日本遺産「炭鉄港」ガイド&講師としても、今後札幌市内あちこちの鉄道や産業遺産の風景も取り上げていきたいなと思っています。
参考
「苗穂鉄道技術館」を含む、北海道遺産「札幌工場・記念館群」はこちら
日本遺産 札幌市外ですが「炭鉄港」はこちら
炭鉄港ガイドの三人目に、私が出ています。