子どもの自立を促す5つのプロセスとは?
こんにちは、チャイルドコーチングアドバイザーのピッグママです!
今回は子育てのゴールである子どもの『自立』をテーマに、コーチングの技術を使った自立を促す5つのプロセスをご紹介したいと思います。
この基本プロセスに沿って考えてもらうことで、子どもの思考が整理され、課題の解決や目標達成がしやすくなるとされています。
この5つのプロセスは、必ずしも順番通りに行われるわけではありません。しかし、このプロセスを意識することで、お子さん自身が内側にある思いを整理して、自ら実行に移すことにつなげるために役立つスキルとして参考にしてください。
①目標・目的を明確にする
まず最初に、お子さんが達成したい目標や目的を具体化しましょう。将来の夢は何なのか、どういう人になりたいのか、どんなことを勉強したいのか。お子さん自身に自分の人生をどうしたいのか考えさせてみてください。
まだお子さんの目標や目的がそこまではっきりとは決まっていない、わからないといった場合には、どういったことはやりたくないのか聞いてみてもよいでしょう。重要なのは、子ども自身が考えるということ。目標を引き出すためのコツとして以下の5つを意識してみてください。
- 目標の先にある目的について考える
- 自分の内にある目標に気づくまで考え抜く
- 自分の行動や変化、成長を目標にする
- 今までの体験から目標を引き出す
- 目標を継続的に確認することで、行動が目的になってしまうことを防ぐ
反対に、目的や目標が明確なお子さんには、その目的や目標を達成するためにはどうすればよいのか具体化するお手伝いをしてあげましょう。具体的な数字をあげてそれを目標に頑張れる人、「この人みたいになれば幸せ」と抽象的な目標に向かって発想を膨らませながらやる気を出す人など、さまざまです。お子さんにあったアプローチをしていきましょう!
②現状を把握する
次に、目標に対して、現在どんな状況かを明確にしていきましょう。現在地を確認することで、目標に向けてどんな行動をとったらよいのかがわかります。また、方向が誤っている場合は軌道修正することもできます。
子ども自身が主観にとらわれずに、自分自身を客観的にみる視点が大切です。具体的には、次の3つの視点から現状を把握するようにするとよいでしょう。この3つの視点を意識することで、気づきがより深まります。
- 親が見た子どもの現状
- コーチや先生が見た子どもの現状
- 子ども自身が、自らを客観視したときの現状
子どもが自らを客観視したことで、それまで本人が思っていたよりも、現状が劣っているなどと落ち込むことがあるかもしれません。それをサポートするのが、コーチや先生、親の役目でもあります。
子どもが「どうでもいい」「考えたくない」など、ネガティブな感情を抱いたときは、まずはその感情を受け止めてあげましょう。そして、子どもの話を傾聴し、意識が少しずつ前へ向かうように促します。そういったやりとりで、「自分はこんなことを考えていたのか」と子どもの自己認識が高まります。
③ギャップを埋める行動を考える
目標と現状を確認すると、そのギャップ(差)が明らかになります。そのギャップを埋めるために必要な行動を探る質問をしていきましょう!
ここでよく陥りがちなことは、ギャップを自分ではなく、他人や環境のせいにしてしまうことです。子どもが原因を自分以外のところに求めている限り、「自分が変わる必要はない」「行動を起こしてもムダ」という発想につながってしまうので注意が必要です。
お子さん自身が『ギャップの原因は自分にある』と認めることができてはじめて、課題を乗り越えるための行動や計画が出せます。実際の原因が誰にあるかは、それほど重要ではありません。他人の考えや行動による影響を手放し、自分のこととして捉えられるかが重要です。
それを促すための質問としては、以下を意識してみましょう!
- 自分がコントロールできることと、できないことを分別する
- 自分ごととして解決策を考える
- 今、自分ができることを具体的に考える
- 原因の一部は自分にあると仮定する
お子さんが他人や環境に原因を求めてしまっている場合でも、本当は自分次第だと頭ではわかっていることも多いです。それをやみくもに、「人のせいにしないで、自分で考えなさい!」というと、かえって心を閉ざしてしまうかもしれません。時間をかけて、子どもに共感することも心がけましょう。
④具体的な行動計画を立てる
ギャップを解消し、目標へ向けて進むためにはどう行動するか、時間の区切りをつけて計画を立ててみましょう!親は正しいプランをつくろうとはせず、あくまで子どもの中にあるアイデアを引き出すように努めてください。
目標や期日を設けるときは、危機感よりもワクワク感を引き出せるかどうかもポイントです。能動的にチャレンジしてもらうためには、「これができたら嬉しい!かっこいい!」などと『行動した先には、いいことがあるかも』という気持ちを呼び起こせるかが鍵になります。
また、ゴールの先を考えることで自分が目標にしていることは単なるそのための手段であったり、通過点でしかないと気づけることもあるでしょう。お子さん自身が納得することが、自発的な行動につながっていきます。
⑤行動した結果を振り返る
行動計画を実行した結果、うまくいくこともあれば、思うようにいかないこともあるかと思います。うまくいかなかった場合には、②〜④を繰り返し、目標の達成をサポートしましょう!
まずは、「やってみてどうだった?」「次はどうすればいいと思う?」などと質問をして子どもの気持ちに寄り添い、考えを引き出してみてください。
お子さん自身が自分の枠に閉じこもり、マイナスな感情になって挑戦することを諦めてしまうこともあるかもしれません。特に、子どもは先の見えないことに対する不安が強く、余計に枠をかためてしまうことがあります。そういった場合には、ものの見方を変えると、不安を乗り越えられるかもしれません。
例えば、お子さんが【面接や試験に緊張して、いい結果が残せなかった】、あなたならどう声をかけるでしょうか?
まずは、「よく頑張ったね!」と労うでしょうか。緊張したことに対して、「うまくやりたいと思ったから、緊張しちゃうんだよね。」と共感してみる。「今回はうまくできなかったかもしれないけど、どんな感じかわかったから対策できそうじゃない?」などと次に活かせるようにする。
大切なのは、発想を転換し、前に進めるようサポートすること。子どもは自分の長所に気がつくと、自然と自発的・意欲的になれます。成長を実感できると、自然と自信がもてるようになります。本人の成功体験を引用して、動機づけしてあげましょう!
参考文献:
『叱るより聞くでうまくいくー子どもの心のコーチングー』和久田ミカ著、KADOKAWA、2016年
『子どもの自己肯定感UPコーチング』神谷和宏著、金子書房、2017年
『オランダ流コーチングがブレない「自分軸」を作る』石川尚子著、七つ森書館、2017年