Amazonなら3Dプリンタをこう使うという特許出願について
商品をドローンで配達する(これは当局規制の関係で当面難しそうですが)、顧客が注文する前に投機的に発送処理を始めてしまうという発明の特許出願(参考ブログ記事)等々のアイデアからわかるように商品を顧客に迅速に届けるという点でパラノイア的企業であるAmazonですが、最近公開された3Dプリンタ関連の特許出願でも、この方向性が明らかです。
この特許の公開番号は、US2015/0050214(出願が公開されただけで権利化されたわけではありません)、発明の名称は"PROVIDING SERVICES RELATED TO ITEM DELIVERY VIA 3D MANUFACTURING ON DEMAND"です。この名称を見ただけで、「こう来たか!」と膝を打つ人もいるかもしれません。
発明の基本的アイデアは、ユーザーが注文した商品を3Dプリンタで作成して、配送するというものです。審査中なので最終的にどのような形で権利化されるか(あるいは、拒絶されるか)わかりませんが、単にオンデマンドで製造するというだけでは新規性・進歩性の点で厳しいでしょう。開示されている技術の中で最も興味深いのは、配送トラックに3Dプリンタを搭載するというアイデアです。これによって商品を作りながら顧客に配送することが可能になります。仮に、このアイデアも何か公知技術があって特許化できないとしても(抵触する先登録特許がない限り)Amazonはビジネスとして実現してしまうんじゃないかと勝手に想像しています。