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NY原油12日:ドル安で小反発、製油所トラブルで製品相場も急伸

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油9月限 前日比0.22ドル高

始値 43.27ドル

高値 43.87ドル

安値 42.80ドル

終値 43.30ドル

ドル安連動でショートカバーが膨らみ、小反発した。

国際エネルギー機関(IEA)は8月月報において、2016年まで原油需給のだぶつきが続く可能性を示唆した。原油市場には「長期の価格低下」のマントラが鳴り響いていると報告している。2015年の世界石油需要見通しは前月から20万バレル上方修正され、前年比では日量160万バレルと急増する見通しになっている。ただ、なお過剰供給がもたらした需給緩和の是正を促すリバランスには不十分である可能性が高いとされており、需給要因で原油相場の反発を促すのは難しい。

米エネルギー情報局(EIA)発表の原油在庫(8月7日時点)は、前週比-168.2万バレルの4億5,359.3万バレルとなった。引き続き製油所向け原油需要が底固く推移する中、在庫の取り崩しが促されている。ただ、昨年の場合だとこの時期から製油所稼働率が落ち込み始めており、米国内需給要因で原油相場を買い進むような動きは見られない。

製油所トラブルが続く中、石油製品相場が急伸していることはポジティブ。ガソリン相場は、1ガロン当たりで前日比+6.98セントの176.35セントとなっている。ただ、シーズンオフに向けて本格的な供給不安が高まるような状況にもなく、原油相場に対する影響は限定されている。

改めて中国リスクが高まる中、原油安誘導による需給リバランスの必要性は維持されることになる。1ヶ月以上にわたって急落する中、ドル安の持続性によっては50ドル近辺まで戻る可能性はある。ただ、原油高が進行すれば需給リバランスは実現しない以上、3月17日の年初来安値42.63ドル、更には40ドルの節目が打診する流れは維持される見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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