竜巻直撃で小型機仰向け、ベッドには木柱突き刺さる アメリカ南部
27日(水)竜巻がフロリダ州・州都タラハシーの国際空港を直撃しました。空港の格納庫の屋根が吹き飛んだほか、小型飛行機が仰向けの状態で転倒、さらに大木が倒れ車を直撃するなど被害が出たもようです。気象レーダーも吹き飛ばされ、一時データが途絶えました。
気象局の事後調査により、竜巻の強さは6段階のうち最も弱い「EF0」で、推定風速は38m/sと判明しました。竜巻は真西から進んできて空港を直撃し、全長27キロにわたって駆け足で通り過ぎていったようです。
アラバマ州の竜巻
この竜巻の原因とみられるのが寒冷前線です。同じ前線が通り過ぎたアラバマ州では、その前日に巨大な竜巻が発生しました。
26日(火)フルトンデールでは、下の動画のような、まるで大きな爆撃に遭ったかのような悲惨な光景が広がりました。飛ばされた車やコンクリート片などで、一面瓦礫の山と化しています。残念なことに地下室に避難していた14歳の少年が亡くなり、30人が負傷したと伝えられています。
ベッドに突き刺さった木柱
一方で、間一髪で難を逃れた家族もいました。
下は住民のセッサム夫妻の寝室ですが、壁を突き破った木の柱がベッドに突き刺さっているのが分かります。実はこの10分前まで夫妻と赤ん坊はベッドで寝ていたそうです。竜巻を知らせる災害ラジオのおかげで竜巻の接近を知り、避難できたといいます。
竜巻の珍現象
良く知られているようにアメリカは世界一の竜巻大国で、年間の平均発生数は陸上だけでも1,200個以上に及びます。なお日本は25個程度です。幾多の竜巻例があるアメリカだけあって、実話とは思えないほどの生還劇が存在します。
奇跡の犬
2011年アラバマ州。ガレージにいたはずの小型犬メイソンが竜巻に巻き上げられ、行方不明になりました。飼い主の決死の捜索にもかからわず、メイソンは発見されませんでした。
ところがその3週間後に奇跡が起こります。壊れた自宅に飼い主が戻ってみると、前足2本の骨が折れ、半分くらいに痩せ細ったメイソンが待っていたのです。メイソンは手術後、元気に走り回れるようになりました。
(↓この犬がメイソン)
奇跡の赤ちゃん
1999年オクラホマ州。生後10か月の赤ん坊アレアちゃんが母親に抱かれていると、竜巻が発生し、赤ちゃんは腕からすり抜けて巻き上げられてしまいました。
誰もが最悪の結末を想像したでしょう。しかしなんと赤ちゃんは、30メートル離れた沼で生きて発見されたのです。(大きくなったアレアちゃんの写真はこちらから見られます)
史上もっとも遠くまで飛ばされた少年
30メートル飛ばされながら生存していただけでもすごい話ですが、実は全米記録はそれ以上です。
2006年ミズーリ州で竜巻に巻き上げられた19歳の少年は、399メートルも離れた場所で、ほとんど無傷で見つかっています。耳を疑うような生還劇です。