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間も無くゴング! WBCバンタム級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Esther Lin/SHOWTIME

 WBCバンタム級チャンピオンのノニト・ドネア(39)が、同タイトル暫定王者のレイマート・ガバリョ(25)を相手するファイトのゴングまで半日となった。

 前日計量を、ドネアは117.2パウンド、ガバリョは117パウンドでパスした。

 試合2日前に行われた記者会見での両者の言葉をお届けしよう。

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 ドネアは語った。

 「井上尚弥戦後、自分が戦う目的を再確認しました。だからこそ、先のノルディーヌ・ウバーリ戦で、いいパフォーマンスを見せることが出来ました。今、自分が目指しているのは、統一王座です。

 自分以外のフィリピン人選手がこのレベルまで上って来たこと、リングでレイマートと対峙することに誇りに感じます。多くのフィリピン人と同様、レイマートも非常にハングリーな男で、大きな夢を持っています。彼はベストコンディションに仕上げて来たでしょう。こちらも最高の状態でリングに上がります。ガバリョのようなハードパンチャーと何度も戦ってきました。そうした経験があるので、パンチのある選手との戦いに恐れはありません。レイマートのスタイルは嚙み合うと思うので、最適な作戦を立てています。彼は非常にいい選手です。が、私はこの試合に自信を持っています。

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 100%準備万端です。メンタルも充実しています。今、この場所にいる一瞬一瞬を心から楽しんでいるんですよ。

 ボクシングは紳士の競技です。発言にスポーツマンシップが感じられる選手って、信頼されますよね。偉大な男は対戦相手の目を見て、握手をし、その後リングで殺し合うものだと私は信じます。

 私はボクシングを愛しています。この競技を通じて私は、高潔さと名誉を頂いたと感じています」

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 レイマート・ガバリョも言った。

 「自分のアイドルと戦えるなんて光栄だ。彼と世界戦の舞台で雌雄を決するなんて、ワクワクするよ。世界チャンプになる機会を得られたことが、本当に幸せだ。夢を成し遂げてみせる。

 前回の試合を見直して、頭の動きと手数を見直さなればいけないって感じた。その課題をトレーニングキャンプで徹底的に改善したんだ。日々のトレーニングで仮想ドネアのパートナーを相手にしてきた。全てにおいて完璧な仕上がりだよ。その成果をリングで出したい。必ず勝つさ。

 年齢は、単なる数字でしかない。ドネアの動きがかつてと変わらず、現在も一級品であることは理解している。

 あまり多くを話す気は無い。でも、ベストを尽くすとだけは言える。自分に出来る全てのことをリングで発揮して、勝者として腕が上げられるようにしたいね。いい試合になるだろう」

(C)Esther Lin/SHOWTIME
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 WBA/IBFバンタム級タイトルマッチ、井上尚弥vs.アラン・ディパエンの2日前に行われるWBC同級戦。日本人ファンも多いドネアから、目が離せない。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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