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韓国では松山英樹の「マスターズ優勝」はどう報じられたのか?

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
海外男子メジャーのマスターズで優勝した松山英樹選手(写真:ロイター/アフロ)

 ゴルファーの松山英樹選手が海外男子メジャーのマスターズで優勝したことは韓国でもスポーツ紙だけでなく、一般紙さらには経済紙でも大きく報じられ、一躍話題となっている。

 例えば、一般紙では「国民日報」が「松山英樹 アジア選手史上初めてマスターズ優勝」、「文化日報」が「松山 アジア人最初のマスターズ制覇」、「韓国日報」が「松山 アジア選手として最初にグリーンジャケットを」の見出しを掲げ、松山選手のマスターズ優勝を特筆していた。

 「国民日報」は「アジア選手最初のマスターズ優勝は松山英樹が勝ち取った」として「マスターズの象徴であるグリーンジャケットを着た松山はアジア国籍選手として最初のマスターズ優勝という業績を成し遂げた」とその偉業を讃えた。韓国のイム・ソンジェ選手が昨年マスターズで準優勝していたが、同紙は「松山はイム・ソンジェを超え、アジア最高の成績を更新した」と紹介していた。

 「文化日報」は「松山英樹がアジアの選手として初めてグリーンジャケットの主人公となった」「グリーンジャケットを着て賞金23億ウォンをゲット」「12年ぶりにアジア選手がメジャーにジャンプ。ウッズが『日本に自負心を与えた』」ことを副題に掲げ、松山選手が4歳の時から父親の教えでゴルフを始めたこと、2012年8月に世界アマチュアランキング1位になったこと、2013年にプロ入りしたことなど松山選手のプロフィールも詳細に伝えていた。

 スポーツ紙では「京郷新聞」系の「スポーツ京郷」が「メジャー挑戦89年目に日本男子ゴルフの宿願を果たした松山」の見出しを、有力大手紙「東亜日報」系のスポーツ紙「スポーツ東亜」が「アジアゴルフの歴史を変えた松山 『ゴルフ皇帝』のウッズも祝賀」の見出しを掲げ、優勝の一報を伝えていた。

 「スポーツ京郷」は「松山のマスターズの優勝は運命的だった」として松山選手が「日本の男子ゴルフの悲願をついに叶えた」と報じ、「スポーツ東亜」は「日本に勇気と感動を与えた」との菅総理の祝辞含め松山選手の優勝に各界から祝賀メッセージがあったことなどを伝えていた。

 スポーツ紙ではこの他に「スポーツ韓国」が「アジア最初のマスターズ優勝は松山・・キム・シウは12位」と、自国の選手の順位と比較して松山選手の偉業を紹介していた。この記事ではキム選手が「松山英樹を兄のように慕っている」ことも併せて伝えていた。

 「スポーツTODAY」は「松山優勝 世界ランキング14位に躍進」との見出しの記事で「松山はアジア選手最初のマスターズ優勝者となる栄誉を浴し、世界ランキングでもアジア選手の中で頂点に立った」ことや「イム・ソンジェ選手を制し、アジアトップランカーの地位を占めた」ことを伝えていた。松山選手よりも6歳下のイム・ソンジェ選手は韓国ゴルフ界を代表する選手である。

 経済紙では「韓国経済」(「松山、アジア選手最初のマスターズ優勝」)と「アジア経済」(「松山 『アジア選手最初にマスターズジャンプ』」)それに「毎日経済」(「松山 マスターズ優勝し、世界ランク25位→14位」)が松山選手の活躍を報じていた。

 「韓国経済」は「日本の松山英樹がアジア選手として初めて世界最高権威を誇るメジャーゴルフ大会マスターズトーナメント優勝者として名前を連ねた。1934年に始まったマスターズでアジア国籍の選手が優勝したのは今回が初めてである。また、メジャー大会でアジア国籍の選手が優勝した2番目の事例である」と松山選手の偉業をアジアの快挙として取り上げていた。

 また、「松山英樹はマスターズに新たな歴史を刻んだ。松山はまさに日本男子ゴルフの自尊心である」と断じた「アジア経済」は「今日の優勝を機に多くの日本選手が頂点に立ってくれれば良い」との松山選手の優勝コメントも紹介していた。

 「毎日経済」は「松山英樹(日本)がシーズン初のメジャー大会マスターズトーナメントで優勝し、世界ランキングを25位から14位に引き上げた。その影響でイム・ソンジェが19位から20位に下がった。イム・ソンジェは昨年のマスターズでは準優勝したが、今年の大会では途中で脱落した」と「スポーツ韓国」と同様に韓国の選手の順位と比較しながら松山選手の躍進ぶりを伝えていた。ちなみに韓国人選手のランキングはイム・ソンジェ選手が20位、キム・シウ選手が47位となっている。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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