40歳の自分を見せつけたパッキャオ
ラスベガス、現地時間20日に行われたWBA ウェルター級統一戦で、正規王者マニー・パッキャオは、自身より10歳若いスーパー王者のキース・サーマンを判定で下した。スコアは2名が115-112でPacmanを支持。残る一人のジャッジは、113-114でパッキャオの負けと採点したが、勝利は揺るぎないものであった。
30歳のサーマンは29戦全勝22KOと自信を持っていたが、役者が違った。初回、パッキャオは左ストレートをボディに、返しの右フックを顔面に浴びせて早くもダウンを奪う。
試合中、何度かガードを固めてロープを背負い、サーマンのパンチを食うシーンがあった。それは全盛時のパッキャオには見られないものだったが、両者の年齢差が10であることを忘れさせる攻防が続いた。
試合前、パッキャオは「このファイトは私にとって特別なものではない。が、何かを証明してみせる。それをモチベーションに練習を重ねて来た。当日のリングで、サーマンはボクシングを学ぶことになる。パッキャオ教授によるテストだ」と話したが、言葉通りの内容となった。
第10ラウンド1分39秒にPacmanが放った左ボディアッパーで、サーマンは深刻なダメージを負う。終盤は、両者共にスタミナを失いつつあったが、我慢比べでもパッキャオに軍配が上がった。
パッキャオが証明したのは、己の存在価値である。
3日前、私は本コーナーで、シュガー・レイ・レナードがサーマン勝利を唱えていることを記した。レナードは自身と照らし合わせ、40歳のファイターがいいパフォーマンスなど見せられる訳がないと判断したのではないか。実際、彼がこの年齢にしてリングに上がった一戦は無残だった。https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20170706-00072827/
しかし、パッキャオはシュガーレイでも及ばない境地に辿り着いたのだ。やはり、Pacmanの能力と飢えは計り知れない。確かにピークは過ぎたものの、依然として唯一無二のチャンピオンである。