もしヤクルトに由規、館山、小川がいればセリーグは5割前後に4チームがひしめく大混戦
借金7の5位に沈む今季のヤクルト
チーム打率.284(ソフトバンクと並んで12球団トップ)
チーム本塁打62本(12球団トップ)
チーム得点314点(12球団唯一の300点台でトップ)
と圧倒的な攻撃力を誇る反面、チーム防御率は4.82(12球団ワースト)と苦しんでいる。311失点は得点と同様、12球団唯一の300点台でワーストだ。
由規、館山、小川がいれば・・・
今季のヤクルトは例年以上のケガ人に泣かされている印象が強い。先発の軸となれる右腕3人が最後に年間通してローテーションを守ったシーズンの成績がこちら。
由規(2010年) 25試合 12勝9敗 防御率3.60
館山(2012年) 25試合 12勝8敗 防御率2.25
小川(2013年) 26試合 16勝4敗 防御率2.93
(リーグ平均失点率-個人の失点率)÷9×投球イニングという式でセリーグの平均的な投手と比べて年間で防いだ失点を計算すると由規 6.67点、館山 15.26点、小川17.78点だった。もし今季ケガ無くローテーションを守っていれば現段階で12試合前後に先発しているはず。12試合に先発したと仮定してその割合で計算してみると由規 3.20点、館山 7.32点、小川 8.20点となり3人を合計すると18.72点を防ぐことになる。現在ローテーションを任されている古野は2.79点、木谷が6.88点リーグ平均より多くの失点を喫しておりその差は28.39点。右腕3人が投げられる状態にあればヤクルトは失点を30点近く抑えることが出来た。日程に余裕があり先発要員が1人少なく済む交流戦では更に改善されたとも考えられる。
悪くとも5割の戦いが出来た
失点が28点少なく済んでいたとすればヤクルトの得失点差は+31。
セリーグ最下位のDeNAは得失点差-80と順位と同じく苦しい戦いが続き、貯金2で3位の阪神、借金2で4位の中日は得失点差が-2、-8と5割前後のチームらしく一桁に収まっている。ただ、首位・巨人は貯金11だが得失点差はわずか+15。2位・広島も貯金は2だが得失点差は-14。上位2チームを見ると必ずしも得失点差が順位に反映されているとは言えないが、+31ならばヤクルトは貯金を作っていた可能性が非常に高く、悪くとも5割前後の勝率をキープ出来ていたと考えられる。
そうなれば、CS進出の目安となる5割前後に4チームがひしめく大混戦だった。主力の故障は大きな痛手だが、控え投手にとっては大チャンス。夏場から秋にかけての勝負どころをどのようなチーム状況で迎えるか。