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小池栄子 “特別な思い”で臨むドラマ『リーガル・ハート』で見せる、“等身大”の存在感

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/テレビ東京

今、映画、ドラマ、舞台、バラエティに引っ張りだこ

第3話
第3話

今、映画、ドラマ、舞台、そしてバラエティにと引っ張りだこなのが、女優・小池栄子だ。存在感のある演技、バラエティで見せる飾らない、気取らない対応力の見事さは、女性からの支持も高い。そんな小池の魅力が堪能できるのが、7月22日からスタートしたドラマ『リーガル・ハート~いのちの再建弁護士~』(主演:反町隆史/テレビ東京系・毎週月曜22時~)だ。倒産は人の「いのち」に関わる問題として、会社再建に心血を注ぐ弁護士・村越誠一を支える、事務所の毒舌経理女子・永井茜を演じるのが小池だ。このドラマの撮影に特別な思いで臨んでいるという小池にインタビューした。

このドラマの原作『いのちの再建弁護士 会社と家族を生き返らせる』の作者・弁護士の村松謙一氏は、倒産の危機に瀕している会社の再建のために奔走するその活動が、『ザ・プロフェッショナル』(NHK)でも取り上げられ、大きな話題を集めた。小池も「とても人ごととは思えないテーマ」だという。

「会社倒産がテーマになっていて、うちの家族も同じような経験をしているので、身近で他人ごとではない内容」

「うちの家族も同じようなことを経験したことがあるので、身近なテーマです。祖父から事業を受け継いだ私の父がその後、その事業が立ちいかなくなって、だんだん生活が苦しくなっていくという経験をしています。大学に進学できなくなるかもしれない、という話にまでなりました。だからあの時、村松さんのような弁護士さんに出会っていればなって、改めて考えてしまいました。時を経てこういうドラマに出演することができて、うちの家族も喜んでくれていると思います。自分が倒れても、這いつくばってまで戦ってくれる村越先生のような人に出会えるか出会えないかで、人生が大きく左右されるんだなって、強く思います。そんな村越先生を、誠実な反町さんが演じるからこそ、説得力が増すのだと思います」。

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熱血弁護士・村越誠一を演じる主演の反町については、「とにかく熱い。かといって、やるぞ!という感じではなく、その背中を見てついて行けばいいんだと思わせてくれる、静かなる闘志を持っていらっしゃる方です。でもとてもチャーミングだし、現場を緊張させない気遣いも、やっぱりスターだなと思いました。学ぶことが大きかったですし、一生ついて行きたい」。

「自分本来の持ち味を、監督が生かしてくれた役だと思う」

小池演じる永井茜は、台所事情が厳しい村越法律事務所の経理で、毒舌ながら猫好きというかわいらしい一面を持ち合わせている。その自然な演技は等身大で、まさに小池そのものという感じがする。事務員でムードメーカーの池田伸司(堀井新太)との軽妙なやりとりも見どころだ。

「たぶん自分本来の持ち味を、西浦(正記)監督がそのまま生かしてくれた役だと思っています。池田伸司役の堀井新太君とは朝ドラ(「マッサン」(NHK))で姉弟役で共演したので、そこで生まれた関係性も演出に取り入れてくれたのだと思います。西浦監督からは、事務所の紅一点として、村越先生を信頼して、叱咤激励しながら見守る姿を見せて欲しいと、最初に言われました。基本となるテーマが重いので、事務所でのシーンはホッコリする、そのメリハリがいいのだと思います」。

「『ドラマBiz』は、誰に向けて、何を見せたいのがはっきりしている枠だから、やる意味が確実にある」

この「ドラマBiz」の枠への出演は、昨年の「ヘッドハンター」に続いて2作目。働く人を応援するという、明確なテーマが存在するこの枠に出演することは「すごく意味がある」と、気合が入っている。

「誰に向けて、何を見せたいのかがはっきりしている枠なので、もちろん数字は気になりますが、それ以上に絶対に残っていくものがある気がしていて。やる意味が確実にある枠だと思っています。なかなか陽の当たらない仕事をしている方々にも響くドラマを、作り続けていると思うし、私も経済情報番組=「カンブリア宮殿」を12年以上やらせていただいているので、働く人の苦労はわかっているつもりです。なので「ドラマBiz」は、もっと出演したいなって思います」。

小池にとってテレビ東京は、まさに“ホーム”といえる存在だ。「私もそう思っているんですが、もう一本くらいレギュラーが欲しいですよね、話が来ませんが(笑)」と、インタビューに同席していた同局のスタッフの方に目力のある視線で、リクエストしていた。

「とにかく新しい人との出会いを大切にしたい。色々な自分を引き出してもらいたい」

映画、ドラマ、舞台、バラエティ、CMと忙しく動き、アウトプットが続く小池だが、インプットの方法と、これからはどんな方向に向かっていきたいのかを教えてもらった。

「現場とプライベート、オンとオフがはっきりしているので、日常生活を普通に送っていれば、あまりイマジネーションが枯渇することはないんです。演じる時は、色々なイマジネーションが生まれてくるのですが、バラエティをガッツリやっている時の方が、きつかったです。自分の言葉で、自分のエピソードを話していくことが続くと、何も出すものがない状態になって、バラエティの中での自分の振る舞いにも限界を感じて、辛い時期もありました。でも今はなんでもやりたい。とにかく新しい人との出会いを大切にしたいです。色々な演出家さんに出会って、色々な自分を引き出してもらいたい」。

「何をしゃべっても偉そうで、圧があるって言われてしまう(笑)」

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現在38歳の小池は、撮影現場でも中堅的な立場になることが多いという。愛されキャラの小池は、役者陣からはもちろん、その飾らない人間性はスタッフからも絶大な信頼を得ている。

「何をしゃべっても偉そうで、圧があるって言われてしまうんですよね(笑)。偉そうな感じとか動じないことが、チャームポイントでありマイナスだよねって、若い頃から言われていたので、一応現場では気を遣っているつもりですが、あまりそういう風に見られていないみたいです(笑)」。

8月5日放送の「リーガル・ハート」第3話は、崖っぷちに立たされた老舗呉服店を救うべく、村越法律事務所チーム総出で、乗っ取り屋との戦いに挑む。1.2話が「静」とすれば、3話はアクションシーンも見どころの「動」。週の始めに活力源になるドラマだ。

『リーガル・ハート~いのちの再建弁護士~』オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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