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【神戸市灘区】JR灘駅前が屋外美術館に!アートが点在する「灘の森テラス」誕生

斎信夫(いつき)WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

神戸市は、まちの質・暮らしの質を一層高め、都市ブランドの向上につなげる「リノベーション・神戸」プロジェクトに取り組んでいます。その一環がJR灘駅南側駅前広場の再整備。近くの王子公園一帯が「原田の森」と呼ばれていたことにちなみ、「灘の森テラス」と命名された広場が誕生。

ミュージアムロードの中間点の立地を活かし、美術館のまちの「エントランス」と地域に開かれた「アウトドア・リビング」が木陰で重なり合う、快適で居心地のよい灘の新しい顔となるよう再整備されました。

「灘の森テラス」 では、神戸六甲ミーツ・アートの作品や、 神戸にゆかりのある若手アーティストの作品が展示され、さながら屋外美術館のよう。

ちなみに、今年の神戸六甲ミーツ・アートは、2024年8月24日(土)〜11月24日(日)に開催されます。

広場の東側から順番に作品をご紹介していきましょう。

説明は、作品前にある説明板記載の文章を要約したものです。是非現地を訪れて、コンセプト全文をお読みの上ご鑑賞ください。

「溢れる」 加藤美紗 素材:鉄枠、水風船

透明で頑丈な水風船を積み上げたインスタレーション作品。天気や時間とともに移ろう光が作品の表情を変化させ訪れるたびに違った発見を感じてもらえたら・・・とのこと。

観る方向によって様々に表情を変えます。キラキラ美しいですね。

「Mothership」 三松拓真 素材:木(欅)

1971年に神戸市電が廃止になり、582号は神戸市から広島に移籍。現在、広島を走っている路面電車(神戸市電)582号の母性を引き出すことを目的として路面電車の子供を制作したとのこと。

「sky bottle-Kobe-」 吉田延泰 素材:ステンレス鉄、ガラス

六甲山系から海へ、水が巡る街神戸、縁環を紡ぐ日本酒やラムネ、アップル、サイダー(鉄砲水)と共に、文化が往来してゆく様に願いを・・・がコンセプト。

「共生」 金愛子 素材:ブロンズ、竜山石

神戸の海の波や風、ここから見える景色が 結び合い、調和し合い、すべてのものが“共生“するというテーマの作品。ギリシャの神話の時代から、幸福のシンボルとされている蝶々をモチーフに、自然、芸術、人の幸せがループするよう表現されています。

「case」 武田真佳 素材:FRP、セメント

caseのひとつの意味はなにかを入れるための入れ物です。入れ物はその中身に近い形状をしていますが、入れるものが無くなってもその入れ物は物体として存在。その中身を待つかのように、あるいは蝉の抜け殻のように、外側の表面だけが在る場合が。この作品は頭に浮かぶイメージの外皮を作ったものとのこと。

「Hello Goodbye」  白井翔平 素材:竜山石(凝灰岩)、ブロンズ

震災を経験したこの街は、協力し合える優しい社会になれるはず。タイトルの「Hello Goodbye」には対立する概念を融和する、あるいは包摂するといった意味が込められています。作品の造形だけでなく、ご自身の内面にも目を向けて鑑賞してほしいと作者の弁。

「海へ行く」 安井源太 素材:木

かわいい猫の絵を描いた我が子の作品を、木彫りで立体化したいと思い立ち、プロジェクトを構想。面白い絵を描く子供を紹介してもらい、子供の描いた絵をもとにチェンソーを使って彫刻を製作し展覧会を開催したそう。

説明板には子供が描いた原画も。ぜひ近くで観てみましょう。

「灘の森テラス」にあるこのシルバーの屋根も、まるでアート作品のようですね。

今年度は、7作品を設置し、来年度以降も1年~5年の間で順次作品を入れ替えていくとのことです。

ここは、ミュージアムロードの中間点。少し歩くと、兵庫県立美術館、神戸文学館、横尾忠則現代美術館、兵庫県立原田の森ギャラリー、BBプラザ美術館など多くの文化施設、美術館が集まっています。

アート鑑賞の出発点してふさわしい駅の広場ですね。もちろん、この広場の作品を鑑賞するためだけに訪れるのもアリ。わざわざ電車に乗って行きたくなる駅前広場ってなかなかありません。

JR三ノ宮駅からは1駅、わずか2分で来ることができます。

お買い物やお仕事の帰りにぜひ寄ってみてはいかが? 映え写真も撮れますよ。

基本情報
スポット名:JR灘駅南側駅前広場 灘の森テラス
アクセス:JR灘駅下車すぐ

神戸市公式サイト 「灘の森テラス」はじまる。~JR灘駅南側駅前広場が生まれ変わりました~

WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

兵庫県西宮市生まれの神戸育ち。テクニカルライターを経て、1998年より会社を設立しWEBクリエイター、フリーライターとして活動。数々の旅行関連サイトを企画・運営。LINEトラベルjp元編集者兼ライター。沖縄と北海道が大好きで6年半沖縄市に在住。海外は特に台湾が好きで渡航回数10回以上。「週刊日本の島(デアゴスティーニ)」専属ライター&フォトグラファーとして沖縄、兵庫、瀬戸内等の33の島の記事を執筆。こちらでは地元神戸市の魅力を、時には動画を交えてお伝えしていきます。X(旧Twitter)、Instagramでも、神戸の最新情報や記事でのこぼれ話、その他の旅行ネタなども発信。

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