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あなたが無意識にやっている防衛のお話。我慢しすぎると…

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんばんは、精神科医しょうです。

私は普段、精神科での外来を行い、インスタにてHSP気質に関する発信を行なっています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)

さて突然ですが、皆さんは嫌なことがあった時に、グッと言いたいことや不快な感情を我慢することが多いでしょうか?

「上司からひどいことを言われたけど、誰にも言わずに我慢した」

「職場では、文句も言わないので、いつもお願い事をされるばかりの損な役回り」

「友人がいつも約束を破るけど、特に何も言わずに付き合い続けている」などなど。。

何か思い当たることはありますか?

HSPさんは、人の顔色、空気を読むことに長けているので、どちらかと言うと「自分が我慢すれば良い」と思うことの方が多いかもしれません。

それ自体は、とても素晴らしいこと、他人を尊重していて良いことなのですが、あまりにもいつも「自分だけが我慢をしていれば良い」と思っているなら注意しましょう。

今日のお話は意識的、無意識的に行なっているあなたがあなた自身を守るためのお話です。

無意識、意識的にやっている防衛のお話

嫌なことをされた時や、つらいことがあった時、“意識的に”不快な感情や自分が認めたくない感情などを意識から締め出そう、心の中から追い出そうとすることを「抑制」と言います。

「上司に対して、こんな怒りや不快な感情を抱いていてはいけない」

「友達に対して、こんなことを思っていてはいけない」

そう思い、“意識的に”それらの感情を無意識の中に閉じ込めておこう、押さえ込んでおこうとする心的働きのことです。

逆に、良く似た言葉に「抑圧」があります。

これは、不快な感情や自分が認めたくない感情などを“無意識に”意識から締め出そう、心の中から追い出そうとすることを言います。

「防衛機制」の1つとされており、自分の心を守るための働きと言えます。

例えば、上司のことをうっかり呼び捨てで呼んでしまった場合、その上司のことが嫌いなのかもしれませんし、あまり評価していないのかもしれません。

仲も良くて頻繁に会う友人のはずなのに、なぜか名前を忘れてしまった、思い出すことができなかったのなら、実はその友人に後ろめたいことがあるのかもしれませんし、本当は本心では会いたいと思っていないのかもしれません。

その友人と同姓同名の人がいて、その人のことを嫌いであったり、強い憎悪の気持ちを抱いているという可能性もあります。

このような場合は、「抑圧」“無意識の”働きです。

“意識的な”抑制。

“無意識の”抑圧。

いずれにしても、あまりにも過度にそれらの働きが強い場合は、メンタル的にもあまり良くありません。

ボールで考えてみると良く分かるかと思います。

ボールに空気を入れていくと膨らみますよね?

しかし、あまりにも過度に空気を入れると、ボールはパンパンになってしまい、常に緊張状態となってしまいます。

そこに更に空気を入れ続ければ、当然ボールは破裂してしまいます。

これは、人間も一緒です。

どんどんどんどん不快な感情や自分が認めたくない感情などを意識から締め出そう、心の中から追い出そうとし、無意識の世界に追いやっていこうとすれば、やがて行き場を無くしたそれらの感情は、メンタル面、身体面にも影響を与える可能性があります。

ボールで言う、緊張状態、破裂です。

ボールが緊張状態であることや、破裂することを避けるためには、どうすれば良いでしょうか?

空気を抜くことですよね。

空気を抜いて、適正な状態に持っていく必要があります。

人間も一緒です。

上司からひどいことを言われたり、友人が約束を破った時には、直接本人に言い返すことはせずとも、自分が感じている気持ちを伝えたり、誰かに相談したり、愚痴を話すといったことが大切になってきます。

ボールの空気を抜くように、人間もガス抜きが必要です。

適度なガス抜きは、精神衛生上、とても重要です。

いつも我慢ばかりしている方は、他人を思いやることができる優しい方だと思います。

しかし、何事もその度合いが肝心。

行き過ぎ、やり過ぎは良くありません。

自分も他人同様、大切にして良い存在です。

もし大切な人が自分同様、いつも我慢ばかりしていたら、何と声をかけるでしょうか?

きっと、「そんなに我慢しなくて良いよ」「たまには愚痴を吐いても良いんじゃない?」

そういった声をかけるのではないでしょうか?

自分のことも大切にしていきましょう。

他人同様、あなたも大切にして良い存在です。

我慢ばかりせず、たまには愚痴を吐いたりして、ガス抜きしてくださいね♪

まとめ

いつも我慢ばかりしている人は、適度にガス抜きしましょう。

「抑制」や「抑圧」のように、“意識的”であれ“無意識”であれ、不快な感情や自分が認めたくない感情などを意識から締め出そう、心の中から追い出そうとすることは、日常生活を送る上では重要なこともありますが、度を超えると良くありません。

適度に自分自身のことを振り返ってみたり、ガス抜きをしたりして、心の健康を保ちましょう♪

自分のことも大切にしてくださいね♪

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あなたの気持ちが楽になりますように♪

精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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