Pascoが始めた本格パンとスープの店「PLUSOUPLE」(プラスプレ)が御茶ノ水駅にオープン
2023年12 月8日、敷島製パン株式会社(Pasco)が店内焼成のパンとスープの店「PLUSOUPLE」(プラスプレ)を御茶ノ水駅の聖橋口改札外(エキュートエディション御茶ノ水)にオープンする。
スーパーやコンビニエンスストアに向けたホールセールの事業展開をしてきたPascoだが、昨年鎌倉で新業態となるPLUSOUPLEをスタート。位置付けとしては、個人や企業の運営するアルチザンブレッドの店より多くのターゲットへ向けていて、価格も抑えているが、チェーン店より質を高くした、こだわりの路線といったところ。御茶ノ水店は2店舗目で、敷島製パン株式会社グローバル事業部の平池浩さんによれば、今後は海外展開を視野に入れているという。
店内には11席のイートインスペースが設けられ、平日朝は7時半から21時まで、土日は9時から20時まで営業。忙しい通勤通学客向けに、テイクアウトできる紙製の「おかもち」型ボックスが用意されている。主役はパンと季節のスープや自家製スプレッドとの組み合わせだ。
店内で焼成されているパンは、本格ハード系のバゲットやカンパーニュに食パン、クロワッサンから、メロンパンやシナモンロール、カヌレなどのスイーツ系まで揃っている。さらに季節のタルティーヌやサンドイッチなど軽いランチになりそうなものも多く、どれにしようか迷ってしまいそうだ。
どのパンにも石臼挽きの小麦粉が使われているのが特徴で、帯広畜産大学と共同開発した「ゆめちから乳酸菌(R)発酵種」を用いることで風味よく仕上げているという。食パンは広く人気のある「超熟」などで長年培ってきた湯種製法の技術で、そのままでも焼いても冷凍保存してもおいしく食べられるようになっている。看板商品とも言えそうな「鎌倉食パン」(497円)は角型と山型から選ぶことができる湯種食パン。北海道産の「春よ恋」の石臼挽きを配合し、しっとりもっちりとしてサンドイッチにも向く。御茶ノ水店では、米粉を50%使い、五色米も入った「五色米の米粉食パン」(562円)が限定発売される。
一番贅沢なテイクアウトボックス「グルメサンド&スプレッド&ソーザイ」(スープ付き1600円)の中を見てみよう。サンドイッチは食パン1枚分と少ないが、グルメサンドというだけあって具沢山。野菜にハムに厚切りのモツァレラチーズなど満足感のある取り合わせだ。ここに味わい深いカンパーニュのスライスが2枚と自家製スプレッド、サラダとキッシュなどの惣菜がつく。さらに約4種類から選べるスープを合わせたものがこのセット。季節のスープは二十四節気(約2週間)ごとに変わる。豚肉と白菜など、和のテイストのものもある。軽めのセットでは、鎌倉食パンのサンドイッチにサラダとカヌレを添えたテイクアウトボックス「サンド&デザート」(950円)があるので、迷ったらまずはこちらを。なにしろパンが陳列台からアピールしてくるので、明日の朝食の分も買うことになるかもしれない。
PLUSOUPLEは造語で、フランス語のSouple(しなやかな)と「プラス」、「スープ」を組み合わせている。日本のシンプルなパンの質は、この20年間でものすごく向上した。食べ方も各自が自由に組み合わせられるようになってきている。「しなやか」というのはここでは、旬を味わいながら、過度に高価ではない、できるだけナチュラルで、できるだけ質のよいものを選ぶ日常、そんなライフスタイルのことをいうそうだ。今、駅で買うパンの選択肢は、どんどん増えている。