「ありのまま」と努力とは矛盾しない:まだまだ続くアナ雪ブーム、来春には続編も
■まだまだ続く「ありのまま」ブーム?:来春には「アナと雪の女王」続編も
「ありのまま」は、流行語大賞になるでしょうか、主題歌「レット・イット・ゴー:ありのままで」は紅白に出るでしょうか。アナ雪の続編短編も作られるということで、「ありのまま」ブームはまだまだ続きそうです。
それは、ディズニー映画「アナと雪の女王」が面白い映画だったということだけではなく、「ありのまま」が現代人、特に日本人の心に響いたからでしょう。
諸外国の人たちと比べても、私たちは「ありのまま」ではないと感じている人も多いことでしょう。
一方、「ありのまま」とか「自分らしく」ではだめだ、もっと努力が必要だという人もいます。しかし、「ありのまま」と切磋琢磨や努力は矛盾するものではありません。
■「ありのまま」と切磋琢磨、努力、自分磨き
「ありのまま」や「世界に一つだけの花」は、よく誤解されます。ありのままで良いなら、オンリーワンなら、努力する必要はないと。しかし、そうではありません。
「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー:ありのままで」では、「どこまでできるか自分を試したいの」と歌います。世界に一つだけの花では、「バケツの中、一生懸命咲いている」と歌います。だから花は美しいと歌います。
ありのままで、オンリーワンで、素晴らしい存在だと気づくと、人は怠けてはいられないのです。その個性に磨きをかけようとします。自分を大切にするとは、努力して個性を伸ばすことです。
ひとりぼっちで山の中にいても、バケツなんてさえないところにいても、自己卑下せず、社会を恨まず、前を向いて進んでいくのが、「ありのまま」の「世界に一つだけの花」の生きる道です。
■「ありのまま」を受け入れられないと
「ありのまま」を受け入れられないとどうなるでしょう。オンリーワンだと信じられず、ナンバーワンでなければ、人よりすぐれていなければダメだと思い込んだらどうでしょう。
私はスポーツが苦手だから、体育は欠席、球技大会も出ない。無理矢理参加させられても、できるだけボールには触らないではじっこにいる、あるいは、ふてくされた偉そうな態度で「バカらしくてやってられねぇ」などとやる気のない態度を示します。
自分は歌が下手で恥ずかしいダメ人間だと思い込めば、クラス対抗合唱コンクールは欠席です。参加しても小さくなって、口パク。そうでなければ、ふてくされた態度で、まじめに取り組みません。
ありのままの自分ではダメだと、恐れているからです。
ありのままの自分を受け入れられないと、スポーツでも芸術でも、人生のあらゆる場面で、経験とチャンスを失うのです。
自分の価値を信じる人、自尊感情の高い人は、チャレンジできる人です。
■「ありのまま」を受け入れると
ありのままを受け入れるとどうでしょう。私はスポーツも歌も下手かもしれません。でも、私はこの体で、この運動神経で、運動会も体育の授業も球技大会も頑張ります。マラソン大会も、仮に最下位だって、出場します。
絵が下手でも絵を描きます。下手なりに絵の楽しさを知ります。描いているうちに、だんだん上手くなります。
歌が下手でも、かっこわるくても、ボクはこの顔で、この声で歌うんだと思えます。
得意なことでも、苦手なことでも、どこまでできるか自分を試したくなるのです。
ありのままを受け入れている人こそ、努力切磋琢磨ができる人なのではないでしょうか。しかもその努力は、苦痛ではなく、きっと喜びになるでしょう。