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わずか2ヵ月間で3チームの40人枠から外された不遇の中継ぎ左腕の次なる一手とは?

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
わずか2ヵ月間で3チームからDFAされたザック・ロスカップ投手(左)(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【DFA後にマイナー行きを通達されたロスカップ】

 ドジャースが20日、先の15日に40人枠から外す措置、いわゆる「DFA(Designated For Assignment)」になっていた中継ぎ左腕のザック・ロスカップ投手を、傘下の3Aに送ることを発表した。

 この異動は基本的に、DFA後のウェーバーがクリアになったことで、マイナー契約を結び直してチーム残留することに決まったための措置になる。だが現時点で、ロスカップ投手が素直にチームの指示に従うのか微妙なところがある。

 というのも、彼は約50日前にブルージェイズで同様の措置をとられ、マイナー行きを拒否しチームを離れ、FAの道を選んでいるのだ。

【わずか2ヶ月間で3チームからDFAに】

 今シーズンのロスカップ投手は、かなり波乱のシーズンを過ごしている。なんとわずか2ヶ月間で3チームからDFAされているのだ。

 2013年にMLBデビューを飾って以来、ずっと中継ぎ左腕として活躍してきたロスカップ投手は、30歳の2018年シーズン終了後にドジャースから解雇されFA選手となり、昨年12月にマリナーズと契約合意していた。

 そして開幕ロースター入りに成功すると、日本開幕戦に合わせ来日。東京ドームで行われた2試合とも登板し、日本人ファンの前で投球を披露している。

 マリナーズでは19試合に登板し、2勝0敗、防御率3.21と決して悪くない成績を残していたのだが、5月17日にDFAされることになった。そしてウェーバー中の同23日にブルージェイズからピックアップされ、同チームに移籍していった。

【ブルージェイズ在籍はわずか6日間】

 だがブルージェイズ在籍は、あまりに短いもので終わってしまった。

 チーム合流後5月25日のパドレス戦で、早速移籍後初登板を果たすと、2日後のレイズ戦にも登板機会が訪れた。だが2試合連続で失点を許してしまい、28日に今シーズン2度目のDFAを通告されてしまった。ブルージェイズにピックアップされてから、わずか5日後の出来事だった。

 今度はブルージェイズからウェーバーにかけられたロスカップ投手だが、残念ながら手を挙げるチームは現れなかった。そしてウェーバーをクリアし、チームは6月1日にロスカップ投手の傘下3Aへの異動を発表した。

 しかし彼は前述通り、マイナー行きを拒否。6月3日にFA選手となり、同12日にドジャースとマイナー契約を結ぶことになったというわけだ。

【ドジャースの次は?残留それともFA?】

 ドジャース移籍後は傘下の3Aに回り、7試合に登板し、0勝1敗、防御率9.00(ただし4試合は無失点登板)を残した後、27日にMLB昇格に成功した。

 だがドジャースもロスカップ投手にとって安住の地にはならず、7試合に登板しただけ(0勝0敗、防御率6.00)で3度目のDFAとなった。ここでもMLB在籍期間はたった19日間で終わってしまった。

 果たしてロスカップ投手はマイナー行きを受け入れるのか、それとも再びFAとなり新天地を求めていくのか。彼の去就が気になるところだ。

 いずれにせよ、MLBではどのチームも中継ぎ左腕不足に悩んでいる。またロスカップ投手に手を差し出してくれるチームが現れる可能性は十分にありそうだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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