米陸軍の新型長距離ミサイル「LRHWダークイーグル」が一部黒く煤けて汚れた状態で演習に参加
2024年8月2日、アメリカのネバダ州ネリス空軍基地で行われた空軍主導のバンブー・イーグル24-3演習に、アメリカ陸軍の新型長距離ミサイル「LRHWダークイーグル」の部隊が参加しました。8月30日に公開されています。出典:アメリカ軍広報サイトDVIDS
参加部隊は第1マルチドメイン任務部隊(1st MDTF)の第3野戦砲兵連隊第5長距離火力大隊(5-3 LRFB)のブラボー砲兵中隊(B中隊)となっています。LRHWの発射機はキャニスター(ミサイル収納筒)の塗装が緑色と砂漠色の異なる2両が参加しています。
なおキャニスターの中ほどが黒く汚れていますが、おそらくこれはキャニスターを寝かせた状態で発射機の補助動力(APU)を作動させると排気ガスが掛かってしまうためだと思われます。
またこの演習では実際にはミサイルの発射はしていませんが、トラクターヘッドと発射機を載せたトレーラーを切り離すのは発射態勢の状態です。
中距離か長距離か
LRHWダークイーグル(Long-Range Hypersonic Weapon "Dark Eagle")は中距離弾道ミサイル相当の射程を持つ極超音速滑空ミサイルです。長距離(Long-Range)とあるのは陸軍が扱うミサイルではこれが最も長い射程になる為です。空軍のICBM(大陸間弾道ミサイル)などに比べると陸軍のLRHWは中距離扱いになりますが、陸軍の中では長距離扱いとなっています。
実戦配備宣言はまだこれから
キャニスターが発射機の補助動力(APU)の排気ガスで黒く煤けて汚れているということは、実戦配備の完了に向けて訓練が続いていることを意味しています。しかし本来ならば2023年に実戦配備が宣言される予定でしたがスケジュールが遅れており、改めて2024年夏に予定されていた実戦配備の宣言はまだ行われていません。ただしミサイル自体は飛行試験を成功裏に済ませています。
予定が遅れているのはミサイルが原因ではなく発射機のシステムに問題があり、これから行うLRHW発射機からのミサイル発射飛行試験を実施して成功してから、実戦配備が宣言される予定です。
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※よく見ると7月17日公開の緑色塗装のキャニスターも薄っすらと一部が黒く煤けている。