もっと自由に楽しめる!香水のマナー
香りにマナーってあるの?
香水を楽しみ始めた頃に誰もが一度は思うことだと思います。
NGな場面はあるのだろうか?
臭いって思われたらどうしよう?
ネットを開けばたくさん回答は落ちています。
「食事の席、特に和食は避けた方がいいでしょう」
「香水のつけすぎには注意しましょう」
それってどういうことだろう?とある時私は考えました。
なぜ和食なのだろう?
なぜつけすぎてはいけないのだろう?
これって絶対なのだろうか?
そもそも、マナーって何なのだろう?
香りのマナーを考える
マナーという言葉を使う時に必ず考えるべきなのは、相手の存在です。
もしあなたが自分の部屋で一人でいるのなら、マナーを考える必要などありません。
あなたがあなたのスペースで何をどうしようと、他人に何の影響もないからです。
でも、もしその部屋の中にもう一人誰かがいたら?そこがあなたの部屋ではなかったら?
その空間を誰かとシェアしている以上、相手に対する配慮が生まれてきます。
これが香りのマナーだと私は考えます。
同じ空間を使っている相手に対する配慮。
この視点を持って香水をつけるシチュエーションを考えてみましょう。
まず、あなたが一人で自分のために香りをつけるとします。
その場合の選択肢は無限です。
唯一のポイントは、"あなたが心地よくあること"。
それは、誰にも見せる必要のないあなた。あなた以外の誰にも配慮する必要のないあなた。
ふかふかのパジャマを着て、広いソファーに座り、好きな映画をポテトチップス片手に見ている、その時のあなたはどんな香りを選び、どんな風に香りをつけるでしょう?
もしかするとくどくて甘ったるい香りかもしれません。
そして、5プッシュくらい全身に吹き付けるかもしれません(お店で「この香りは1プッシュが適量ですよ」と言われたにも関わらず)。
次に、ビジネスシーンで香りをつける場面を考えてみましょう。
あなたは清潔感のある装いをして、取引先の人物に好印象を持ってもらいたいと考えているとします。
そんな時にあなたが大好きな甘ったるい香りの香水を5メートル先からも香りがわかるくらいの量をつけて登場したらどうでしょう?あなたはもしかしたら「自己中心的な人物」という評価を受けるかもしれません。
間違ってはいけないのは、その香りの選び方とつけ方どんな場面でもNG、というわけではないということ。最初の例で書きましたが、あなたが何にも誰にも配慮する必要がなく存在しているときならその選び方もつけ方もパーフェクトです。
ですが例に挙げたビジネスシーンにおいてはどうでしょう?
あなたがある会社で働くビジネスパーソンであり、取引先の相手がいる場面において香りを使うなら、その選び方とつける量も変える必要が出てきます。
なぜあなたはその相手と会うために清潔感のある装いを選んだのでしょう?
どんな香りを選ぶのか、どれくらいの量をつけるのかも、その「なぜ」を考えるとうまくいきます。
あなたは目の前の人物と良い関係を築いていきたい。
そのために、相手に対する配慮が生まれます。
その配慮をもとに選ばれる香りがあり、つける量も考えることができます。
これは取引先の相手に限った話ではありません。
あなたが同じ空間を共にする人たち(知人であれ全くの他人であれ)に不快な思いをさせないこと。
その程度を慮ること。
状況や他人への配慮を考えて選択していくこと。
そうしていけば、「この場面ではこれ」という個別のケーススタディを掻き集めなくても自然と香りのマナーは実践して行くことができます。
マナーは不自由さを生むか
この考え方は一見不自由に思えます。
ですが「好きな香りをつけられないなんてつまらない」と思う必要はありません!
配慮をする、というと自由でいられない感覚にとらわれるかもしれませんが、シチュエーションに応じてその中で自分の好きな香りを選んで行けばいいのです。
自分一人でいる時の好きな香り、誰かと一緒にいる時の好きな香り、ビジネスシーンでつける好きな香り・・と、どんな香りのカテゴリーでもお気に入りを探すことは可能です。
そしてどんなに香水が好きでも時には香りをつけないということを選択する場面だってありえます。
それも含めて香水を楽しむことだと私は考えます。
それが真に香水が好きだということだと思います。
香水にルールはないけれどマナーはある
香水を買う時や使い方に悩んだらぜひ、香りを使う場面と相手に思いを馳せて欲しいなと思います。
その上で選択すればちゃんとマナーに則ることができます。
香水は本当に楽しい。
これを読んで、明日からもっともっと自由に楽しんでもらえるよう願っています。
素敵な香水ライフを!