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auが最大800円値下げの「金融連携」新料金プランを発表

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

KDDIは8月23日、金融新サービス発表会をオンラインで開催。新料金プラン「auマネ活プラン」を9月1日から提供すると発表した。

単なる料金値下げではなく、auの通信サービスとKDDIグループが待つ金融商品を組み合わせることで、月々の負担額が下がるというものだ。

これまでauのデータ使い放題プランと光インターネット回線を組み合わせることで月額で税込6138円となっていたが、これにクレジットカード、銀行口座を組み合わせ、どちらかで通信料金を支払うことで、毎月800円相当還元され、月額・税込5338円で利用できるようになる。

さらにQRコード決済やクレジットカードでの支払いにおいて、ポイント還元率がアップしたり、円普通預金の金利があがり、投信積み立て時のポイント付与も増えるようになっている。

KDDIでは、例として、この仕組みを適用することで、毎月4348円、1年で5.2万相当、お得になるという試算を示している。

携帯電話会社は、政府による値下げ圧力により、通信料収入の減少に苦しんでいる。これ以上、単なる値下げプランで他社に対抗して行くには限界がある。そんななか、政府が「貯蓄から投資へ」という方針を示し、2024年からは新NISA制度をスタートさせるなど、国民のなかで資産形成意欲が高まりつつある。

KDDIでは、グループ内にある金融会社と連携を強化し、ポイント還元や普通預金の金利などがをおトクに提供することで「通信費を抑えつつ、お金を増やすなら、まるごとauで」というスタンスを見せ、ユーザーを囲い込んでいく戦略だ。

銀行や証券会社を持つKDDIグループの強みを発揮した料金プランと言えるだろう。このような立て付けに対抗できるのは、同じく銀行や証券を持つ楽天グループぐらいではないか。

ソフトバンクもPayPay銀行や証券などを持っているが、IDが統一されておらず、すぐに対抗するのは難しい。NTTドコモではそもそも銀行や証券などが自社グループにはない。KDDIはグループ内の金融アセットで他社に差別化を図る。

ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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