こんにちは。片付け・収納の専門家、鈴木久美子です。私は日々、片付けや収納の悩みがある皆さんのご自宅にご訪問してサポートする仕事をしています。

大きな家から、コンパクトな家まで様々ありますが、片付かない原因No.1は物が多い事です。

収納が少ないからとか、おおざっぱな性格だからと、いろいろ言い訳も聞こえてきますが、間違いなく物の量が大きな原因です。物を多く抱えこんでいる人は、物が少なくなると、不便になる、損をする、不安、という気持ちになるようですが、実際は少ない物でも、心も豊かに暮らせるんです。

今回は、私が意識している、『少ない物でも豊かに暮らすための物の選び方』をご紹介します。

安いからではなく自分にとって少し高めの物を選ぶ

これは、洋服やアクセサリー、コスメなど増えていきやすい物に言える事かと思います。あれもこれも、いろいろ欲しくなってしまう人はいませんか？せっかく購入してもすぐに気持ちが変わって、あまり使わなかったりする人、クローゼットの中は、着る気がしない服がパンパンに詰まっている人も多いと思います。

もしかしたら、そんな皆さんは、物を購入する時の基準が、お買い得とか、安かったからになっていませんか？

何も高級品を購入することを勧めているわけではありません。安い物でも、気に入ってしっかりと使えるのであれば、何の問題もありませんが、物が多すぎる人は、安さにつられて本当に欲しいかどうかの基準がぶれてしまっている事が多いのです。

安い！と思って購入するよりも、高いけど欲しい！と思って手に入れた物の方が、同じ1つの物でも、満足度も上がり、あなたの暮らしを豊かにしてくれるはずです。

長く付き合える物を選ぶ

その物と長く付き合える物かどうかをしっかり考えましょう。すぐに劣化してしまう物、使いにくくなるような物もありますよね。キッチンツールなどでいうと、お手入れのしやすさも長く付き合えるどうかに関わってきます。

私は、「使える」という言葉よりも、「付き合う」感覚で物と向き合うのもよいと思っています。

画像は私が愛用しているミマツのキッチンバサミ（左）と貝印のピーラー（右）です。若い頃は、安いからとプラスチック製のピーラーを使っていたこともありますが、プラスチック部分が割れてしまったり、汚れが取れにくかったり、何度か買い替えた事もあります。

ちなみに、使いにくさを感じたり、劣化を感じた際に、潔く捨てて、次の物を購入できるならまだましですが、一般的に人は、完全に壊れていないと捨てるのはもったいないと思い、引き出しの中に入れたまま、新しい物を購入してしまうんです。そして物が増える悪循環に陥ってしまいます。

おおげさかもしれませんが、物と人との関係が良好であれば、満たされた関係となり、暮らし自体の満足度に関わってくると感じています。

消耗品のストックは持ちすぎない

片付かない家にご訪問していて、『これは多すぎる！』と感じるのは、ジッパー付きの袋（ジップロックなど）や、ラップ、カビキラーや洗剤類などです。ティッシュもキッチンぺーパーも、ウエットティッシュもめちゃくちゃ多いです。

家のいたる所の収納がこのような消耗品で埋め尽くされていて、結局本来収納すべき物のスペースを占領してしまっているんです。もちろん、1つや2つのストックは必要かもしれませんが、物が多過ぎる人の持ち方はそんな量ではありません。ウエットティッシュを段ボール1箱で購入するとか、カビキラーを12本持っているとか、トイレットペーパーは1年分とかそんな感じです。

大量の消耗品をどうやって収納したらいいのか、と頭を悩ませるのも意味がないことです。もう必要以上に買わないで欲しい。

カビキラーやラップなどは、暮らしに欠かせない物ではあるけれど、たくさん持っているからといって、暮らしを豊かにすることもないし、幸せを感じる事はないです。大量の消耗品を持つスペースやお金に余裕があるなら、見ているだけで、うれしい、幸せと感じ、自分を満たす物を家に置きませんか？

今回は、少ない物でも豊かに暮らすための物の選び方をご紹介しました。物は量ではなく、自分が心から好き、と感じる事が本当に大切です。バッグや服に限ったことでなく、洗剤から消耗品まで、自分が気に入っている物を選ぶ事が、満足度を上げ、毎日の暮らしが豊かになると思います。