第2猛暑期の始まりと来週にかけての熱帯擾乱の動向は?
猛暑をもたらす21度線が出現し、拡大へ
引き続き、日本付近には梅雨前線が停滞して、東日本や西日本では曇りや雨の梅雨空の所が多くなっています。ただ太平洋高気圧は今後強まりを見せるため、すぐそこまで猛暑の到来が近づいてきている状況です。今月上旬に、まるで梅雨明けのような猛暑となった暑さを第1猛暑期とするならば、真の梅雨明けを伴う第2猛暑期がすぐそこまで迫ってきています。
暑さの指標となるのは上空1500メートル付近の気温で、18度線がかかっている程度ならば、晴れても35度以上となることは少ないものの、21度線がかかれば、35度以上が続出し、気象条件によっては、体温を上回る危険な暑さとなります。
上図のように、あす17日(水)は、まだ18度線が見えている程度ですが、その後、週末にかけて、21度線が出現するため、この領域に囲まれている関東甲信や東海地方を中心に猛暑が復活することになりそうです。
第2猛暑期が始まる
最新の予想では、先述した21度線のかかる関東甲信地方から19日(金)には35度以上の猛暑日が復活し、その後、週末以降は、東北から九州にかけて、拡大する見込みです。真の梅雨明けを伴う第2猛暑期は、来週以降もしばらく続く可能性があり、場所によっては体温を大きく上回る危険な暑さとなりそうです。再び広い範囲で熱中症警戒アラートが発表される可能性も大きいと思われ、警戒が必要です。
さらに来週は太平洋高気圧が日本付近に張り出す一方で、沖縄付近を中心に、熱帯擾乱(ねったいじょうらん)が影響する可能性もあり、この動向にも目が離せなくなるかもしれません。
低圧部が発生へ
タイトル画像の雲の様子をみると、南シナ海にあった熱帯低気圧は北西へ進み、すでにベトナム方面に上陸していて、今後衰弱する予想です。一方、フィリピンのすぐ東には低圧部が発生していて、あす17日(水)午前9時の予想天気図にもある通り、さらにその東にも新たな低圧部が発生する予想です。
低圧部とは、周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱のことで、中心付近がハッキリ推定できるようになると熱帯低気圧に呼び名が変わります。
現在、フィリピンのすぐ東に発生している低圧部は、熱帯低気圧に変わる予想がありましたが、最新の予想では、フィリピン付近の陸地が多い所を北上するためか、当面熱帯低気圧に変わる予想はなくなりました。一方、今後、新たに発生が予想される低圧部に関しては、気になる計算が増えてきています。
来週週明けに沖縄の南へ?
上図は最新の気象庁によるGSM予想で、新たに発生が予想される低圧部付近の雲域が北西方向へ進み、来週の週明けには、徐々に台風と思われる勢力となり、沖縄の南に進む予想です。そして、この熱帯擾乱の動向に関しては、さまざまな計算があり、今のところ、予想が大変難しくなっています。
来週24日(水)のアンサンブル予報
参考までに、上図は来週24日(水)午前9時におけるアンサンブル予報の一部を抜粋したものです。傾向として、左図のように熱帯擾乱自体があまり発達しないと思われる予想が約5割ある一方で、熱帯低気圧や台風にまで発達するであろうと思われる予想が約5割のちょうど半々程度となっています。
このうち2割程度が明瞭な台風の勢力となり、真ん中のように沖縄に接近したり、なかには右図のように本州付近に接近を予想するメンバーも少数ながら存在しています。このような熱帯擾乱が発生しなかったり、発生してもフィリピン方面を指向したりした場合は、本州付近では猛暑一辺倒となるおそれがあり、どちらにしても、注意、警戒が必要な状況です。